3月30日(日本時間31日)
T-モバイル・アリーナ:米ネバダ州ラスベガス
[WBO世界スーパーウェルター級タイトル戦&WBC同級王座決定戦:ティム・チュー vs セバスティアン・フンドラをメインとする興行のアンダーカード]
◇WBA世界ミドル級タイトルマッチ◇
王者
エリスランディ・ララ
(40=キューバ/米:29勝17KO3敗3分)
vs
挑戦者1位
マイケル・ゼラファ
(32=豪:31勝19KO4敗)
ララは22年5月、ゲイリー・オサリバン(アイルランド)を8ラウンドTKOして以来となる約1年10ヶ月ぶりのリングで、タイトル2度目の防衛戦。
指名挑戦者のゼラファも、22年11月にダニロ・クレアティ(豪)に判定勝ちして以来の約1年4ヶ月ぶりの試合で、世界初挑戦。
結果は ララが 2ラウンド 2:59 KO勝ち。
試合日の一昨日から今日の午前中まで、何度かササッと検索してみたもののフルラウンド版の映像が見つからず、ハイライト版を視聴しただけですが…
サウスポーの王者が様子見をしていた初回は差がなかった感じながら、続く2ラウンドの終盤、ララの軽い右からの左ストレート一閃でゼラファは背中から崩れ落ち、ロープ際でダウン。
カウント中に何とか立ち上がるも足もとが覚束ず、後ろにヨロけてコーナーポストにもたれたところでレフェリーが止めて呆気なく試合終了。
地味な存在に甘んじ19年~22年は年1ペースと試合枯れ気味、そうする間に今月11日には41歳になるララですが、このところは中堅ランカークラスとの対戦ということもあり、かなり盤石なイメージ&少なくとも衰えの色は窺えない感じ。
実力レベルの高い選手なので、ピークを保っているうちに他団体王者との統一戦など、ビッグマッチの実現に期待したいところです。
◇WBC世界フライ級タイトルマッチ
王者
フリオ・セサール・マルティネス
(29=メキシコ:20勝15KO2敗2NC)
vs
挑戦者14位
アンヘリノ・コルドバ
(28=ベネズエラ:18勝12KO無敗1分)
マルティネスは昨年5月、ロナル・バティスタ(パナマ)に11ラウンドTKO勝ちして以来のリングで、タイトル6度目の防衛戦。
コルドバは昨年4月、元WBOライトフライ級王者 アンヘル・アコスタ(プエルトリコ)に判定勝ちして以来の試合となり、前戦でWBOインターナショナル、前々戦でWBOラテンアメリカのライトフライ級タイトルを獲得、今回はひとクラス上げての世界初挑戦。
結果は マルティネスが 2-0(114-112×2、113-113)の判定勝ち。
この試合もフルラウンド映像が見つからず、僅か3分ちょっとのハイライトを観ただけにつき全体の内容はわかりませんが、好戦的ファイターのマルティネスに対してコルドバも積極的に打ち合い、好ファイトだった模様。
採点的には、マルティネスが3ラウンドに2度ダウンを奪ったポイントが勝敗を分けたようですけど、2ー0マジョリティ・デシジョンということで、できれば全ラウンドを観て自分で採点してみたい気持ちは有り。
それはともかく、肉弾戦法のマルティネスは毎試合ダメージが残る筈な部分も含め、相手しだいで足もとをすくわれて陥落しそうな危うさは相変わらずな感。
常に面白い打撃戦を演じる選手だけに、頑張ってほしいとは思いますが。
◇WBC暫定世界スーパーウェルター級タイトルマッチ◇(?)
暫定王者(?)
ブライアン・メンドサ
(30=米:22勝16KO3敗)
vs
挑戦者(?)2位
セルヒイ・ボハチュク
(28=ウクライナ:23勝23KO1敗)
メンドサは昨年10月、今回の同興行メインに出場したWBO同級王者 ティム・チュー(豪)に挑んで判定負け、それ以来となる再起戦。
ボハチュクは昨年7月、パトリック・アロティ(ガーナ)を初回KOして以来のリングで、暫定ながら初の世界タイトル戦。
[本来は、同じく同興行のメインに出場しチューに挑戦したセバスチャン・フンドラ(米=判定勝ちでタイトル奪取)とボハチュクのカードだったのが、チューの対戦者 キース・サーマン(米)が負傷のため出場をキャンセル。
→ これを受けて興行者側がチューの相手にフンドラをスライド、ボハチュクの相手には急遽メンドサを起用し、暫定タイトル戦に変更して開催、という経緯]
結果は ボハチュクが 3-0(118-110、117-111×2)の判定勝ちで新王者。
これまたフルラウンド映像が見つからず、3分足らずのハイライトを視聴しただけなので内容的なことはわかりませんが、ワンパンチのパワーで上回るボハチュクが序盤から最後まで圧し切った印象。
メンドサは急なピンチヒッターで調整不足だった筈だけに、そのへんは割り引く必要があるにしろ、取り敢えずボハチュクが世界への足掛かりを掴んだ形。
一先ずそれはいいとして… どういうことなのかサッパリわからないのは、WBC暫定王座とメンドサの関係性。
理屈からすると、メンドサは昨年チューに敗れた時点で暫定王座は剥奪になった筈(タイトルホルダーが規定ウェイト内で戦って負けた場合、例えノンタイトル戦であっても保持する王座は剥奪されるのが通例)なのが、なぜかこの試合はメンドサの暫定王座「防衛戦」として行われたらしく…
(但し、「空位」の暫定王座決定戦とするものも少なからずあり。
ここでは戦績等の情報源としてNO.1扱い?されている BoxRec などに「vacan」表記がないのに基づき、一応タイトル戦で明記)
であれば、上位のタイトルに挑戦する場合は規定ウェイト内で負けても剥奪されない、というまた別の通例の適用により、チュー戦の後もメンドサがそのまま在位=防衛戦ということだったのかな?と。
(そうした解釈は一応は成り立ちますが、とはいえ記憶違いでなければ先月時点でのWBCランキングに暫定王者:メンドサの表記はなかった筈)
あれこれ考えるに、どうもメンドサvsボハチュクの正確な位置付けは空位の暫定王座決定戦だったのでは?と思われますが…
何にしても、WBCにはこういう訳のわからないテキトーさをいい加減改めてほしいと同時に、一般客の誘致や試合の箔付け等の思惑によるムリヤリなタイトル戦の仕立て上げはやはり不適切と感じるので、プロモーター側にもそうした商法は控えてもらいたい、という個人的要望。
因みに、今日(4月2日)WBCの最新ランキングをチェックしてみたところ、チューを破ったフンドラがちゃんと新王者として表記されている(この一戦は、WBOタイトル戦と同時に空位のWBC「正規」王座決定戦の2冠戦で行われた)一方、暫定王者になった筈のボハチュクはランキング2位のままで、メンドサは8位。
このランキングは3月19日アップデートとの表示(=30日の試合以前に制定)があり、おそらく次回3月度の最新ランキングで改められる筈ですが…。
あと、ついでなので、PBCのハイライト編集にも少々。
短か過ぎない?云々はともかくとしても、今回のマルティネスvsコルドバの映像には最大のヤマ場だった3ラウンドのダウンシーンが入っていないなど、これではわざわざ短尺版を作って公開する意味がないんじゃ… とも思え、何とも疑問感。
見せ場を敢えて省くことでフラストレーションを煽らせ、観たけりゃ今後はハイライトなんて言わずPPVで丸ごとどーぞ、と誘導する商戦略 !?