29日(日本時間30日)
デザート・ダイヤモンド・アリーナ:米アリゾナ州グレンデール
◇WBO世界スーパーフェザー級暫定王座決定戦◇
2位
リアム・ウィルソン
(28=豪:13勝7KO2敗)
vs
WBO4位/WBC8位
元WBOフェザー&WBCスーパーフェザー級王者
オスカル・バルデス
(33=メキシコ:31勝23KO2敗
本来はノンタイトル戦だったのが、WBO同級[正規]王者 エマヌエル・ナバレッテ(メキシコ)がデニス・ベリンチク(ウクライナ)とのWBOライト級王座決定戦に出場(5月18日)するのに伴い、先週になって慌ただしく暫定王座決定戦に変更された一戦。
結果は バルデスが 7ラウンド 2:48 TKO勝ち。
[動画サイトでフルラウンド映像を見つけて観戦]
自分からはあまり仕掛けず、左フックを主体にいきなり当てようとするバルデスに対し、ウィルソンが相対的にジリッと出て表面的攻勢でほぼ互角の形でラウンド進行。
勝っているパワーを前面に出すバルデスは、やればできる筈のジャブからの組み立てをせずにフック・アッパーを狙うため的中率はイマイチ、相手が来るところに合わせようという意図はわかるにしても、さしてパンチのないウィルソンに下がらされるシーンもたびたび。
どちらが有利とハッキリ言えないような展開で迎えた7ラウンド、スタートから強襲したバルデスにウィルソンもひるまず応じていったんは落ち着いたものの、残り1分ちょっとの所でバルデスの左フックがヒットし、効いたウィルソンがフラリ。
この機にバルデスが一気の猛攻をかけると、ウィルソンは耐えて粘ったながらも体をくっ付けて凌ぐのが精一杯で手が出ず、タイミングを見計らったレフェリーが割って入り、TKOを宣告して試合終了。
決して良い内容とは思えなかったにしろ、とにかくこれでバルデスは暫定王座を獲得し、正規王者昇格にも王手。
これでナバレッテがベリンチクに勝ち、そのままライトに転級=スーパーフェザー級タイトル返上となれば、バルデスが自動的に正規王者に繰り上げされるのは確定路線ですが…
バルデスは前戦、そのナバレッテに挑んで大差判定で完敗しているだけに、ちょっと何だかな~、という感は否定しようがナシ。
とは言えついでながら、ナバレッテもバルデス戦の出来は良かった一方、戴冠戦だったウィルソンとの試合ではダウンを奪われ、レフェリーのロングカウント&失態的レフェリングで命拾いした後の逆転KOだったなど、ウェイトアップと共に耐久力がだいぶ落ちていると思えるため、ベリンチク戦は大方の予想よりもっと厳しい戦いになりそうな感&負ける可能性も決して低くない… 気も。
何れにせよ、WBOタイトルの行方は5月の試合の結果待ち。
敗れたウィルソンの方は、またしても中途半端に打ち合いに応じてしまったところに打たれ脆さを突かれた印象で、結果的にナバレッテ戦の経験を活かせていなかったように思いました。
以下、同興行の主なアンダーカードの結果。
スーパーライト級(相当)10回戦、WBCライト級2位/WBO5位/IBF7位 レイモンド・ムラタラ(27=米:19戦全勝16KO)vs ゾリサニ・ンドンゲニ(33=南アフリカ:31勝18KO4敗)は、ムラタラが 3-0(99-91、98-92、97-93)の判定勝ち。
ウェルター級(相当)10回戦、WBCスーパーライト級10位 リンドルフォ・デルガド(29=メキシコ:19戦全勝14KO)vs カルロス・サンチェス(28=メキシコ:25勝19KO2敗)は、デルガドが 7ラウンド 0:48 KO勝ち。
ヘビー級8回戦、リチャード・トーレスJr.(24=米:8戦全勝全KO/東京五輪スーパーヘビー級銀メダル)vs ドン・ヘインズワース(41=米:18勝16KO8敗1分)は、トーレスJr.が 初回 2:19 TKO勝ち。
スーパーライト級(相当)6回戦、エミリアノ・バルガス(19=米:8戦全勝7KO/元IBF&WBAスーパーウェルター級王者 フェルナンド・バルガス氏の三男)vs ネルソン・ハンプトン(30=米:10勝6KO8敗)は、バルガスが 3-0(60-54×3)の判定勝ち。