4月27日(日本時間28日):米カリフォルニア州フレズノのセーブマート・アリーナで開催されたゴールデンボーイ・プロモーション興行。
メインイベントはスーパーライト級12回戦、WBO2位/WBC9位/IBF11位/元WBC&WBO同級王者 ホセ・カルロス・ラミレス(31=米:28勝18KO1敗)vs 元IBFフェザー&ライト級王者 ランセス・バルテレミー(37=キューバ:30勝15KO2敗1分1NC)。
ラミレスは昨年3月、元IBFライト級王者 リチャード・コミー(ガーナ)に11ラウンドTKO勝ちして以来の1年1ヶ月ぶり、バルテレミーは同5月、オマール・ファレス(米)に判定勝ちして以来11ヶ月ぶりのリング。
結果は ラミレスが 3-0(119-109×2、118-110)の判定勝ち。
[動画サイトでフルラウンド版の映像を見つけて観戦]
プレッシャーをかけて出るラミレスに対し、バルテレミーは頻繁にスイッチしつつ応戦する立ち上がり。
3ラウンド、バルテレミーがサウスポースタイルから右ストレートを決め、効いたところにすかさず追撃をかけるとラミレスは片手&片膝を着いたものの、これはスリップ裁定。
倒れた後に加撃したとしてレフェリーは試合を中断、ラミレスに休憩を与えると共に、バルテレミーに強い語気で注意。
再開後、ラミレスは先手をとって出たながらもラウンド終盤に再びバルテレミーの左をもらってフラつき、4ラウンドにも同じようなパンチを被弾するなど、時おり危なっかしさを見せる状況で前半戦を終了。
しかし6ラウンドあたりになると、バルテレミーはガードを固めると同時に目に見えて手数が減り、自ずと攻める姿勢を崩さないラミレスが主導権を掌握&ポイント蓄積。
そうした展開で迎えた終盤11ラウンド残り30秒ちょっとのところ、ラミレスのジャブ、右ストレートからの連打でロープに詰まったバルテレミーが防戦一方となるピンチ。
が、最終ラウンドのラミレスは無理に倒しには行かず、流す格好で試合終了のゴング、明白な3-0判定でゴールデンボーイ・プロモーション移籍後の初戦に勝利。
アグレッシブ旺盛なファイトで大差をつけて勝ったラミレスですが、先述したような危うさが散見され、決して完勝だった訳ではナシな印象。
既にもうベテラン、これからボクシングスタイルを大きく変えられるとは思わないにしても、王座返り咲きのためには少しでもディフェンスを強化することが重要では?
前々戦で全勝全KOの注目株ゲイリー・アントゥアン・ラッセル(米)に6ラウンドTKOで敗北、キャリア初のストップ負けを喫し黄昏感を漂わせていたバルテレミーは、元2冠王者を相手に見せ場はつくったながら、ポイント的には大差をつけられての敗退。
途中からの失速ぶりを見るに、やはりピークを過ぎ力が落ちている部分は流石に否めなかった感じです。
ついでですが、個人的な採点は 117-111 ラミレスでした。
セミファイナルはスーパーウェルター級12回戦、WBA1位/WBC6位/WBO7位 バージル・オルティスJr.(26=米:20戦全勝全KO)vs トーマス・デュロルメ(34=プエルトリコ:26勝17KO6敗1分)。
オルティスJr.は今年1月、フレデリック・ローソン(ガーナ)に初回TKO勝ちして体調不良による約1年5ヶ月のブランクから復帰、それ以来となる試合。
デュロルメは22年7月、アブラアン・ペラルタ(ドミニカ共和国)を3ラウンドTKOして3連敗を脱し(ジャマル・ジェームス=WBAウェルター級暫定王座決定戦に判定、現WBAウェルター級王者で無冠時代のエイマンタス・スタニオニスに判定、同じく現IBFウェルター級王者で無冠時代のジャロン・エニスに初回KOでそれぞれ敗退)1年9ヶ月のブランクを経て再浮上を期すリング。
結果は オルティスJr.が 初回 2:39 KO勝ち。
両者のパンチが当たる間合いで牽制し合っていたオープニングラウンド、残り30秒少々のところでオルティスJr.の左ボディブローが炸裂。
横向きに転がったデュロルメは、苦悶の表情でそのまま立てずにカウントアウト、呆気なく試合終了。
オルティスJr.は、8月3日(日本時間4日)に米ロサンゼルスでスケジュールされている「リヤド・シーズン」興行で前WBOスーパーウェルター級王者 ティム・チュー(豪)と対戦することが先立って発表されており、この勝利で無事その注目マッチに駒を進めた形。
デュロルメの方は、何もしないうちに終わってしまった格好で、コメントのしようがありません以外に言いようがナシ。
セミセミはスーパーライト級10回戦、元IBFスーパーフェザー&WBCライト級暫定王者 ジョセフ・ディアスJr.(31=米:33勝15KO5敗1分)vs オスカー・ドゥアルテ・フラド(28=メキシコ/米:26勝21KO2敗1分)。
ディアスJr.は、今年2月の前戦で無名のヘスス・カンポス(メキシコ)に判定負け、それ以来となる再起戦で、ここ5戦は1勝4敗と深刻な低迷状態。
ドゥアルテは昨年12月、タンク・デービス(米)に倒されたライアン・ガルシア(米)の再起戦の相手を務めて健闘するも8ラウンドKO負け、それ以来となるリング。
結果は ドゥアルテが 9ラウンド 2:32 KO勝ち。
パワーで勝るドゥアルテがプレッシャーをかけて出、対するサウスポーのディアスJr.はステップで動きながら応戦、中盤戦にさしかかるあたりまでは一進一退だったものの、5ラウンドにドゥアルテが左フックでディアスJr.をフラつかせると、それを機に優位に立つと同時に以後の流れをほぼ掌握。
迎えた9ラウンド、ロープを背にしたディアスJr.が立て続けにドゥアルテのパンチを受けたところでレフェリーがやや早めのタイミングで割って入り、その直後にディアスJr.のセコンドからもタオルが投入されて試合終了。
一本調子な感じがしなくはない部分はともかく、かなりパワーがありそうなドゥアルテは今後のマッチメイク等如何によっては世界戦線に絡んで来る可能性もありそうで、注目しておいた方が間違いないかも?
ルイス・ネリ(メキシコ)同様、確信犯的なオーバーウェイト失格を何度も繰り返した経歴を持つディアスJr.は痛い黒星をまたも増やし、いよいよ後がなくなった感じです。