正式発表:3/30 マフムード・チャー vs クブラト・プレフ[WBAヘビー級レギュラー] | ボクシング・ダイアローグ

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WBA世界ヘビー級[レギュラー]タイトルマッチ、王者 マフムード・チャー(マヌエル・チャー 39=シリア/独:34勝20KO4敗)vs 挑戦者10位 クブラト・プレフ(42=ブルガリア:30勝14KO3敗)が 3月30日(日本時間31日):ブルガリアの首都ソフィアのアリーナ・アーメック開催で正式発表。

 

チャーは、17年11月の決定戦でアレクサンドル・ウスティノフ(露)に判定勝ちしてWBAレギュラー王座を獲得後、ドーピング違反疑惑やプロモート契約上の問題で指名戦&暫定王者との団体内統一戦が何度もキャンセルされ、その影響で長期の試合枯れ状態に突入。

 

そうして21年になると、戴冠戦から3年以上リングに上がっていないことを理由にWBAが休養王者に降格シフト、同年5月に漸く3年半ぶりの試合(ノンタイトル戦)を行ったものの、ブランク中に誕生した暫定王者 トレバー・ブライアン(米=のちレギュラー王者にスライド昇格)との指名戦を実現できず、最終的にWBAは同年12月に王座剥奪を決定。

 

この措置に対し、チャーは剥奪の不当性や契約面の違反・不履行などを主張してWBAとヒルベルト・メンドサWBA会長個人、ドン・キング・プロダクション、エピック・スポーツらを相手取って提訴。

(その間、22年に2戦して2KO勝ち)

 

昨年8月、1年以上にわたる係争の末にWBAとの和解が成立、レギュラー王者に復帰させる処置がとられ(現地時間8月26日付)リングで戦わずして裁判の勝利で王座返り咲き。

 

王座復帰の条件として、昨年10月までの期限でジャレル・ミラー(米)との防衛戦が義務付けられたながら実現することなく消滅、今回は22年12月にヌリ・セフェリ(アルバニア)を2ラウンドTKOした最新試合以来、王座獲得のvsウスティノフから6年4ヶ月の紆余曲折を経ての初防衛戦。

 

一方のプレフは、昨年12月にアンドジェイ・ワウルジク(ポーランド)に判定勝ちして以来のリング。

 

世界戦は、14年11月に当時のWBA&IBF&WBO王者 ウラディミール・クリチコ(ウクライナ)氏に5ラウンドKO、20年12月に同じく当時のWBA&IBF&WBO王者 アンソニー・ジョシュア(英)に9ラウンドKOでそれぞれ敗退しており、今回が3度目の挑戦。

 

こういう世界戦が正式に決まること自体に先ず複雑な感が否めないところですが、チャーにとっては限られた防衛戦の機会、プレフにとっては相手がオレクサンドル・ウシク(ウクライナ:WBAスーパー&IBF&WBO統一王者)やタイソン・フューリー(WBC王者)のようなトップクラスの王者ではないだけに、世界タイトル奪取のまたとないチャンス。

 

(プレフを擁するブルガリア側のプロモーターが、チャーを狙い目と見做してマッチアップしたのは一目瞭然)

 

ファン的には関心を持ちにくいカードでしょうが、当人たちにとってはそれぞれの思いが交錯する大勝負となる筈で、タイトルの部分をさて置けば、中堅的古豪同士が今後をかけるサバイバル戦=試合自体は好ファイトが期待できるかも?という気もします。