クリスチャン・バカセグアが来日:2/24 田中恒成とWBOスーパーフライ級王座決定戦 | ボクシング・ダイアローグ

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今月24日:東京・両国国技館で1位/元世界3階級王者 田中恒成(畑中)選手と空位のWBO世界スーパーフライ級王座を争う2位 クリスチャン・バカセグア(26=メキシコ:22勝9KO4敗2分)が14日、成田着の航空便で来日。

 

練習拠点とする母国メキシコのバハ・カリフォルニア州メヒカリから同国ティファナを経由し、約18時間かけて到着。

 

「長旅だったが移動の疲れはない。とても気持ち良く来ることができた。

  何年も待ち続けた世界戦のチャンスに凄く満足しているし、幸せ。

 

  田中の試合の動画は、vs井岡一翔からの5試合をチェックした。

  好戦的なスタイルの良い選手で、複数の階級でチャンピオンになっておりリスペクトしている。

 

  ただ、彼は自分自身に自信を持っているように見えるがたまにガードが下がり、そこが(得意としている左ボディフック等を当てる)チャンス。

 

  デビュー戦で、打たれても前に出てファイトしたことで映画の主人公ロッキー・バルボアになぞらえ〝ロッキー〟が愛称になった。

 

  でも今はその頃とは変わり、打つときは打って避けるときは避けるボクサースタイルになった。

 

  田中が史上最速(21戦目)での世界4階級制覇を狙っていることは知っているが、私はメキシコ人として元3階級王者を破るつもり。

 

  昨年12月中旬から田中戦に向けた本格練習を開始し、1日12ラウンドを週3回ペースでこなして来たスパーリングを先週打ち上げた。

 

  倒すチャンスがあれば勿論KOを狙うが、持久力は最後まで続く。12ラウンド戦う気持ちで日本に来た」

 

 

19年9月にモイセス・カジェロス(メキシコ:ミニマム級時代の17年2月、福原辰弥氏とのWBO暫定王座決定戦に判定負け/18年3月にWBO王者 山中竜也氏に挑んで8ラウンド棄権TKO負け)に判定で敗れたのが最後の黒星で、以後ここまで9連勝(4KO)中。

 

昨年10月の最新試合はエリウド・デ・ロス・サントス(メキシコ)に2ラウンドKO勝ち、今回が初の世界挑戦となるオーソドックス(右構え)型。

 

世界2位ながらそれ相応の実績はなく、最近の数試合をざっとチェックしてみたもののやはりと言うか、もしかしたら強豪?感は全くレベルでナシ。

 

タイプとしては、接近してババッとパンチをまとめたら離れ、またくっ付いて、な手数型の印象で概ね攻防に幅はなく、少なくとも技巧派とは違うと見做して間違いなさそう。

 

ガチャガチャ連打する際、けっこう雑になったりバランスを崩したりなど完成度も高いとは思えず、自分としては明確にスピードで上回る田中選手が早い時点でペースを掴み、優勢に試合を進めそうな予感。

 

同興行は、WBAバンタム級タイトル戦、井上拓真(大橋)vs ジェルウィン・アンカハス(比)とWBCバンタム級タイトル戦、アレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)vs 中谷潤人(M.T)もセットされるトリプル世界戦ですが…

 

大方の予想は、厳しめにみて井上&中谷両選手が五分~やや有利:大まかになら、まあまあ普通程度に有利といった塩梅?と思われるのに対し、田中選手はハッキリ明白に有利のイメージ。

 

バカセグアが言うとおり、唯一の黒星を喫した井岡戦の時の田中選手は、TKO時のスタンディングダウン状態を含め奪われた3度のダウンは全て右ガードが下がった・開いたところに左フックを決められたもので、今回またそういう隙を見せてしまうと打たれ脆い弱点も相俟り、よもやのKO敗の危険も確実に高まるでしょうけど…

 

不確定要素による波乱を別にした、順当な考え方をするならば、そうしたウィークポイントを意識し修正している田中選手がスピード&回転力の差を活かし、さして苦しむことなく勝つのでは、という気がします。

 

とはいえ、このカードで〝オスカー・デ・ラ・ホーヤ(米)氏を抜いて史上最速の4階級制覇、新記録達成〟となっても、評価面ではだいぶ割引されることになる筈で…

 

ここを勝った後の次の目標に、井岡選手とのリマッチ=王座統一戦を挙げている田中選手だけに、落とす訳にはいかないバカセグア戦を格の違いを見せてキッチリ獲り、しっかり防衛戦をこなすと共にビッグマッチに歩を進めてほしいところです。