【結果+観戦記】ハイメ・ムンギアvsジョン・ライダー &重岡兄弟の対抗王者オスカー・コラゾV2戦 | ボクシング・ダイアローグ

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1月27日(日本時間28日):米アリゾナ州フェニックスのフットプリント・センターで開催されたマッチルーム&サンフェル・プロモーション興行。

 

[動画サイトで映像を見つけて観戦]

 

メインはWBCシルバー・スーパーミドル級タイトルマッチ、王者/WBO1位/WBC2位/元WBOスーパーウェルター級王者 ハイメ・ムンギア(27=メキシコ:42戦全勝33KO)vs WBO&WBC8位/元WBO同級暫定王者 ジョン・ライダー(35=英:32勝17KO6敗)。

 

ムンギアは昨年6月、WBCシルバー王座決定戦で歴戦の強豪 セルゲイ・デレビャンチェンコ(ウクライナ)に小差3ー0判定勝ちして以来の初防衛戦、ライダーは同年5月、4団体統一王者 サウル〝カネロ〟アルバレス(メキシコ)に挑み大差判定で敗れて以来の再起戦。

 

結果は ムンギアが 9ラウンド 1:25 TKO勝ち。

 

先手を取っていくムンギアに対し、サウスポースタイルのライダーはあまり手を出さずに様子を窺う立ち上がり。

 

2ラウンド、コーナーを背にしたライダーにムンギアが右ストレートを決めると、英国人は腰を落とすダウン。

 

かなり効いている感じだったものの、クリンチを多用して時間を稼ぎ、ラウンド終盤のムンギアのまとめ打ちも凌いで延命。

 

4ラウンドにはライダーが手数を増やし始めたながら、しかし距離の詰まったところにムンギアが左ジャブをショートストレート・カウンターの格好で合わせると尻餅を着き、2度目のダウン。

 

5ラウンド以降、失点を意識したライダーが相手の打ち終わり&攻撃の間のタイミングを狙って当てに出るも単発的、一方のムンギアもポイントは取りつつもやや攻めあぐね、中盤戦は大きなヤマ場ナシで進行。

 

迎えた9ラウンド、開始から圧力をかけて出たムンギアがコーナー前に引いたライダーに右フックをヒット、これが効いて動きが止まったところにワンテンポ遅れの右をフォロウするとライダーは背中からキャンバス落下し、通算3度目のダウン。

 

再開後、フィニッシュにかかったムンギアが連打からの右ストレート→ 左ボディフック、この被弾でライダーはうつ伏せに倒れ込み、このラウンド2度目、通算4度目のダウン。

 

これも立ち上がり続行されたものの、ムンギアの猛攻にロープに詰められて防戦一方となったライダーにセコンドが棄権をアピール、それを見て取ったレフェリーが試合をストップして決着。

 

内容的にはムンギアの圧勝で、ライダーはたまに軽打を当てるのが精一杯の完敗だった感じでしたが…

 

スーパーウェルター級王座を返上後、かなり長く留まりチャンス待ったミドル級で結局2階級制覇の機会が巡って来なかったムンギアだけに、特にファンではなくてもいい加減もう世界挑戦を実現させてあげたい心情。

 

ウェイトアップに伴うパワー面などの目減り感はあるにしろ、じっくり時間をかけて順応して来たことで耐久性は問題なさそうなので、今年こそは大勝負を期待。

 

5月に計画されるカネロの対戦者候補に挙がっているとの噂もあるようで、実現すればこれは観たいカードですが… ただカネロは、WBAレギュラー王者 デビッド・モレル(キューバ)& WBC暫定王者 デビッド・ベナビデス(米)との団体内統一戦が最優先の課題。

 

確かWBCは昨年の年次総会の時、カネロとベナビデスに対戦指令を出した筈なので、それが守られるならムンギアの出番はその後になり、さらに結果如何ではムンギアの相手がベナビデスもしくはモレルになる可能性もある訳で…

 

取り敢えず、せめて相変わらずこのクラスがカネロに振り回されるままの状況だけでも打破してほしい、という感じです。

 

 

セミファイナルはWBO世界ミニマム級タイトルマッチ、王者 オスカー・コラゾ(27=プエルトリコ/米:8戦全勝6KO)vs 挑戦者10位 レイネリス・グティェレス(28=ニカラグア:10勝2KO1敗)。

 

昨年5月、メルビン・ジェルサレム(比=谷口将隆選手からタイトルを奪取)を7ラウンド棄権TKOで破り王座に就いたコラゾは、同年8月にガレン・ディアガン(比)を6ラウンド終了TKOして初防衛、それ以来となるV2戦。

 

グティェレスは昨年10月、ナタナエル・ロチャなる負け越しの同国人との再戦(4戦目に対戦しノーコンテスト)に判定勝ちして以来のリングで、世界初挑戦。

 

結果は コラゾが 3ラウンド 2:37 TKO勝ち。

 

一気に世界へと駆け上がり勢い付いているサウスポーのコラゾに、無名のグティェレスも時おりスウィッチを交えるなどして臆せず応戦していたものの、2ラウンドに入るとパワー&パンチの正確さの差が徐々に表面化。

 

3ラウンド、コラゾが右フックを決めたのを起点にすかさず追撃、力を込めた左フックを叩きつけるとグティェレスが前のめりにダウン。

 

ここは何とか立ち上がって続行されたながら、再開後グティェレスがコーナー付近でコラゾの連打に曝されるとレフェリーが割って入り、試合終了。

 

戦前に予想されたとおりの、力の差がモロに出た内容&結末でしたが…

 

ミニマム級の世界王座は、現地時間の今月15日にエリック・ロサ(ドミニカ共和国)がウェイト難を理由にWBAレギュラー王座を返上してライトフライ転級を表明→ 自動的にWBAはスーパー王者 ノックアウト・CPフレッシュマート(タイ:全階級の現世界王者の中で、最多タイトル連続防衛中=14回)が唯一の王者に。

 

WBC王者は重岡雄大(ワタナベ)選手、IBF王者は重岡銀次朗(選手)で、兄の雄大選手はコラゾとの対戦希望を表明済み。

 

コラゾもまた重岡兄弟との統一戦を望んでいるらしく、これはどちらと戦っても好ファイトになることが確実な組み合わせだけに、ぜひ実現させてほしいところです。

 

 

アンダーカードのWBAインターコンチネンタル(米大陸)スーパーミドル級タイトル戦、王者 ダリウス・フルガム(27=米:9戦全勝全KO)vs 挑戦者 アランテス・フォックス(31=米:28勝13KO5敗1分1NC)は、フルガムが 2-0(100-90、98-92、95-95)の判定勝ち。

 

フェザー級10回戦、WBCスーパーバンタム級2位/WBC同級シルバー王者 アラン・ピカソ(23=メキシコ:26勝15KO無敗1分)vs エリック・ルイス(31=米:17勝7KO9敗1分)は、ピカソが 3-0(99-91、98-92×2)の判定勝ち。