【結果+観戦記】テオフィモ・ロペス vs ジャメイン・オルティス[WBO世界SL級タイトル戦] | ボクシング・ダイアローグ

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2月8日(日本時間9日)

マンダレイベイリゾート&カジノ ミケロブ・ウルトラ・アリーナ:米ネバダ州ラスベガス

 

◇WBO世界スーパーライト級タイトルマッチ◇

 

王者 

テオフィモ・ロペス

(26=米:19勝13KO1敗)

vs 

挑戦者11位 

ジャメイン・オルティス

(27=米:17勝8KO1敗1分)

 

昨年6月にジョシュ・テイラー(英)を判定で下してタイトル奪取、ライト級4団体(WBCはフランチャイズ王座)に続き世界2階級制覇を達成したロペスは、その直後に報酬アップを意図して引退発言するも暫くして撤回、一時期SNSでやり合っていたWBCスーパーライト級王者 デビン・ヘイニー(米)との注目戦も実現せず、一先ず今回はテイラー戦以来となる初防衛戦。

 

一方、前々戦で元世界3階級王者 ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)に判定負け、初黒星を喫したながらも善戦して一定の評価を得たオルティスは、昨年9月にアントニオ・モラン(メキシコ)を判定で下して以来のリングとなり、世界初挑戦。

 

スピーディな技術戦が予想された〝ザ・テイクオーバー〟ロペスvs〝ザ・テクニシャン〟オルティスの一戦…

 

結果は ロペスが 3-0(117ー111、115ー113×2)の判定勝ち。

 

意外にも、試合が終わっていくらも経たないうちにフルラウンド映像が動画サイトに上がっていたため、空き時間を使って観戦しましたが…

 

内容的には、こうなるだろうと思ったイメージそのまま、という感じの典型的なクロスファイト。

 

ジリッとプレッシャーかけて出るロペスに対し、サウスポーのオルティスは得意のフットワークを駆使し、左右に動いて応戦。

 

4ラウンドあたりなると、マイペースを維持してなかなか自分から攻めようとしないオルティスに、イラつき始めたロペスがヒョコヒョコしたバックステップと同時に打って来いの仕草で挑発、オルティスはこれに応じてパンチをまとめたものの長続きはせず、ポイントの分配の難しいラウンドが進行。

 

6ラウンドにもロペスの挑発にオルティスが反応して短い接近戦、しかしこれもいっ時で終わり、ロペスはまた苛立ちを露わに。

 

続く7ラウンド、偶然のバッティングでオルティスが左瞼をカットして短い中断、これを機にロペスが攻勢を強めるもオルティスは巧みに動いてかわし、それ以後もどっちつかずの状況でラウンドを消費。

 

結局、両者ノーダメージで最後までパンチがキレている状態を残したまま試合終了ゴング。

 

自分としては、共にクリーンヒットはナシ&軽いヒッティングの数も大した差はナシな以上、強いて割り振るポイントは、前に出て攻める姿勢を見せていたロペスに概ね与えていいのでは?と思いましたが…

 

ジャッジ2者と中継席の解説者?(114ー114)は、オルティスのコツン、コツンな単発打に思いのほか振り分けていた形。

 

今日のロペスは、防御勘の自信の表れに加え出て来ない相手への不満の分も影響し、殆どノーガードで通した感じだったものの、結果論的にはそのせいで無駄に被弾していたようにも見え、思いの他の接戦になった一因にはそれもあった気が。

 

オルティスの方はロマチェンコ戦の時と同様、なかなか明確にポイントを取れないディフェンス重視のマイナス面がまた結果に表れた、という印象。

 

KOは意中にない、フェザータッチのポイントアウト・ゲーム型であるのは解るにしても、特に卓越したカウンターを持っているとかではない以上、あのスタイルでしっかり勝つためにはやはりもうちょっと手数&効果的な攻撃を織り込んだメリハリが必要なのでは。

 

際どい瞬間的な駆け引きが断続する、高度な戦いだったことは踏まえつつも、しかしこれでもしオルティスの勝ちで普通でしょ、な見解が当然だとしたら、自分などはちょっとボクシングがわからなくなってしまう感を抱いたかも?しれませんが…

 

取り敢えず117ー111と115-113なら理解の範疇内で、何というか一安心 !?

 

因みに個人的な採点は、オルティスのコツコツ当てを重視する前提でも 116ー112 でロペスでした。

 

 

セミファイナルはWBOインターコンチネンタル&USNBC(WBC合衆国)ライト級タイトル戦&USBA同級王座決定戦、王者 IBF7位/WBO8位/WBC9位 キーショーン・デービス(24=米:9勝6KO無敗1NC/東京五輪ライト級銀メダル)vs 挑戦者 WBCスーパーライト級10位/元IBFスーパーフェザー&WBOライト級王者 ホセ・ペドラサ(34=プエルトリコ:29勝14KO5敗1分)。

 

デービスは、ナヒール・オルブライト(米)に判定勝ちした昨年10月の前戦の後、マリファナの陽性反応検出によりその勝利を取り消し→ノーコンテストに裁定変更された一戦からの復帰戦。

 

ペドラザは昨年2月、全勝の注目株 アーノルド・バルボサJr.(米)に判定負けして以来の再起戦。

 

結果は デービスが 6ラウンド 1:09 TKO勝ちでWBOインター3度目、USNBC2度目の防衛戦と共に、空位のUSBA王座を獲得。

 

この試合はハイライトを視聴しただけですが、序盤から手数やヒット数で上回ったデービスが着実にリード、逆にサウスポーのペドラサは前には出るものの空転&被弾で徐々に失速し、内容的にはほぼ一方的だった感。

 

そうした流れで迎えた6ラウンド、デービスのワンツーでペドラサがコーナー前に後退、そこに数発の追撃を加えたところでレフェリーがストップしてTKO決着。

 

デービスの出来云々よりも、ペドラサがどこか元気ないと言うか本調子でないように映ったイメージでした。

 

 

なお、アンダーカードに組み込まれていたライト級?6回戦、エミリアノ・バルガス(19=米:8戦全勝7KO/元IBF&WBAスーパーウェルター級王者 フェルナンド・バルガス氏の三男)vs トーマス・オーネラス(米)はキャンセル、改めて3月29日(日本時間30日):アリゾナ州グレンデールのデザート・ダイアモンド・アリーナで予定されているオスカル・バルデス(メキシコ)vs リアム・ウィルソン(豪)メインの興行でネルソン・ハンプトン(米)と対戦予定とのこと。