【結果+観戦記】タイソン・フューリー vs フランシス・ガヌー[ヘビー級10回戦] | ボクシング・ダイアローグ

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10月28日(日本時間29日):サウジアラビア王国リャドのキングダム・アリーナで開催されたヘビー級ノンタイトル10回戦、WBC世界ヘビー級王者 タイソン・フューリー(35=英:33勝24KO無敗1分)vs 元UFCヘビー級王者 フランシス・ガヌー(37=カメルーン:プロボクシングデビュー戦)。

 

確か、少なくとも発表当初はエキシビションと伝えられていた筈だったため、自分的には気にも留めていなかったながら、どうやら公式戦として行われたらしい一戦…

 

結果は フューリーが 2-1(96-93、95ー94、94ー95)の際どい判定勝ち。

 

フューリーがダウンを奪われた挙句に辛勝、というのを報道で知ったあと、動画サイトにフルラウンド版の映像が上がっているのをたまたま見つけたので観戦しましたが…

 

3ジャッジの下した採点はともかくとして、内容的には共に有効打の殆どない凡戦。

 

立ち上がりは、フューリーがいつものようにノラリクラリと流し、余裕の表情。

 

が、3ラウンド残り40秒ちょっとのあたりで、フューリーの中途半端な右の直後にガヌーが肩越しの左フックを合わせると、現WBC世界王者が腰から崩れるダウン。

 

以後、両者が時折スウィッチを交えつつ単調にパンチを交換、サイドステップで動きながらコツコツ当てようとするフューリー、たまに力を込めた攻勢をかけるガヌーともクリーンヒットのないままラウンド進行。

 

ガス欠か、ガヌーは9、10ラウンドの勝負所で手数が落ち、そこをフューリーがジャブで振り分けポイントを引き寄せる格好で試合終了。

 

個人的な採点も一応 95-94 でフューリーの勝ちでしたが、3ラウンドを除けば大部分のラウンドは割り振りするならこっちかな、な内容で、その意味からではドローかどっちも負けという印象。

 

ただ、元ではなく今現在タイトルを保持している王者が、異種格闘技からボクシングに参戦&これがデビュー戦という相手にこの内容という視点からしたら、フューリーの負けと言われても仕方ない感。

 

これまでずっとあのブヨブヨな体型で戦っているため、今日のコンディションどうこう等についてはわからないにしろ、軽くひと稼ぎする思惑の試合だったろう部分だけはおそらく間違いない筈。

 

デビュー戦でいきなり10回戦をフルに戦ったガヌーにもう少しスタミナがあったら、手数攻勢の加味で勝敗が逆になっていたことは充分あり得ただけに、やっぱり不甲斐ないフューリーが危うく命拾いしたとのイメージが非常に大。

 

ガヌーの方は健闘を称えられるにしても、フューリーはもし負けていたらボクシング界的に面目丸潰れだった訳で、何と言うか本当に冷や汗ものの結末でした。

 

とにかく何とか勝ったフューリーは、次戦で3団体統一王者 オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)と12月23日(日本時間24日):今日と同じくリャドで4冠統一戦という噂。

 

この試合の後に正式発表との情報も散見されましたが、取り敢えずそれはなかった模様です。

 

 

アンダーカードで行われたヘビー級10回戦、WBA2位/WBC9位/IBF12位 マーティン・バコーレ(30=コンゴ民主共和国:19勝14KO1敗/元WBCクルーザー級王者 イルンガ・マカブの弟)vs カルロス・タカム(42=カメルーン/仏:40勝28KO7敗1分)は、バコーレが 4ラウンド 2:15 TKO勝ち。

 

IBF&WBOインターコンチネンタル・ヘビー級王座決定戦、WBO&IBF6位/WBC10位/元WBO王者 ジョセフ・パーカー(31=ニュージーランド:32勝22KO3敗)vs サイモン・キーン(34=加:23勝22KO1敗)は、パーカーが 3ラウンド 2:04 KO勝ち。