【結果+観戦記】重岡優大&銀次朗兄弟:ダブル世界戦 | ボクシング・ダイアローグ

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10月7日

大田区総合体育館:東京

 

◇WBC世界ミニマム級団体内王座統一戦◇

 

正規王者

パンヤ・プラダブスリ(ペッマニー・CPフレッシュマート)

(32=タイ:40勝24KO1敗)

vs

暫定王者 

重岡優大

(26=ワタナベ:7戦全勝5KO)

 

結果は 重岡選手が 3-0(119ー109×2、117ー111)の判定勝ちでWBC団体内王座を統一/正規王者に昇格&タイトル初防衛。

 

[ABEMAのライブ配信で観戦]

 

スピード、パワーとも上回るサウスポーの重岡選手が積極的に先手をとって仕掛け、パンヤは後手に回りつつも右ストレートやボディ打ちなどで対抗する展開。

 

ややリキみがちながらも重岡選手が攻勢点・ヒッティング数で明白にリード、回を追う毎にポイント差が広がる流れも、パンヤも連続しては打たせずに要所要所で反撃。

 

重岡選手の多彩なパンチに後半~終盤戦も被弾の多いパンヤ、しかしダメージを表に出さないポーカーフェイスのまま予想以上のタフネスで粘って応戦。

 

力を込めて打ち続ける重岡選手はスタミナが懸念されたものの、最後までペースを落とすことなく攻め切ってフルラウンズを終了、公式の採点発表を待つまでもない完勝で正規王者昇格&V1。

 

KOは逃したとはいえ判定は文句なしで、個人的な採点も119ー109。

 

重岡選手本人は、WBO王者 オスカル・コラソ(プエルトリコ)との対戦希望、そして兄弟でミニマム級4王座独占をコメントしていましたが、マッチメイクさえ何とかなればかなり実現味の濃い目標だと思います。

 

5度目の防衛に失敗、王座陥落となったパンヤは、スピードや回転力で劣る中でも時おりタイミングの合った右ストレートを当てるなど最後まで勝負を捨てず、好印象が残った感。

 

タイ選手によく見られるベタ足のスタンスから、ポーカーフェイスで武骨に打ち返すのを観ているうちに、特にスタイルが似ていたとかいう訳でもないのに同じタイのウィラポン・ナコンルアンプロモーション氏が思い浮かびました。

 

 

◇IBF世界ミニマム級団体内王座統一戦◇

 

正規王者

ダニエル・バジャダレス

(29=メキシコ:26勝15KO3敗1分1NC)

vs

暫定王者

重岡銀次朗

(23=ワタナベ:9勝7KO無敗1NC)

 

結果は 重岡選手が 5ラウンド 2:15 TKO勝ち、IBF団体内王座統一/正規王者に昇格&タイトル初防衛と共に、NC(無効試合)に終わった今年1月の第1戦の借りを返してキッチリ決着。

 

初回の半ば、サウスポーの重岡選手の打ち下ろしの左ストレートで腰を落としたバジャダレスは、持ち堪えられずに膝を着いてダウン。

 

再開後、偶然のバッティングでバジャダレスが右側頭部、重岡選手が右目尻をカットして出血するも大事なく進行。

 

2ラウンド、また偶然のバッティングでバジャダレスに減点1、展開的には重岡選手がハードなプレスでほぼ一方的に攻めるも、正規王者も時たま右ストレートなどをヒット。

 

5ラウンド、1分半ちょっとのあたりで重岡選手の左アッパーが炸裂、グラついたバジャダレスを追い回して猛攻をかけ、ロープを背負わせ右アッパー、左と繋いだところでレフェリーがストップし、試合終了。

 

バッティングで流血した時は前回の嫌な記憶が頭をよぎったものの、結果的には予想に違わぬ圧勝で重岡選手が初戦のモヤモヤを払拭し、正規王者昇格&V1。

 

先に触れているとおり、今後のプランはWBC王者の兄がWBOを獲り、IBF王者の弟がWBAを獲って兄弟で世界ミニマム級王座を席巻、とのことですが…

 

実力的には充分可能にしろ、WBAスーパー王者はこれまでのパンヤと同様タイから出ないノックアウト・CPフレッシュマート、しかも正式決定しながら直前中止となったレギュラー王者 エリック・ロサ(ドミニカ共和国)との団体内統一戦の再マッチアップが最優先課題につき、近いタイミングでの対戦は難しそう。

 

とはいえ、防衛を重ねて行くうちに可能性も機運も高められる筈ですから、期待して見守りたいところ。

 

初防衛に失敗&王座陥落となったバジャダレスは… まあ予想どおりだった感じで、力の差がリマッチで露わになったな、と。

 

あと、IBFが前戦を踏まえて反則に厳しいレフェリーを起用した、と報じられていましたが、2ラウンドのバッティングの減点は不要だったような気が。

 

ちょっと過剰なレフェリングでIBFの期待に応えてしまったのかも?

 

 

[長文になってしまうため、興行メインの亀田和毅vsドラミニ及びアンダーカードの結果は別に分けて投稿します]