WBC年次総会:全階級で指名戦・王座/挑戦者決定戦の承認&指令、寺地拳四朗もvsブドラー義務づけ | ボクシング・ダイアローグ

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メキシコのアカプルコで開催されている第60回WBC(世界ボクシング評議会)の年次総会(ランキング委員会も含む)で、王座決定戦&挑戦者決定戦の承認・指令が続々。

 

以下、主なものをピックアップ。

 

 

【ヘビー級:挑戦者決定戦】

 

  1位/前王者 

  デオンテイ・ワイルダー(米)

 vs 

  2位/元3団体統一王者 

  アンディ・ルイスJr.(米)

 

 

【スーパーミドル級:挑戦者決定戦】

 

  暫定王者 

  デビッド・ベナビデス(米)

   vs 

  1位/前IBF王者 

  カレブ・プラント(米)

 

 

【スーパーウェルター級:挑戦者決定戦】

 

  暫定王者 

  セバスチャン・フンドラ(米)

   vs 

  1位/前WBC王者

  トニー・ハリソン(米)

 

 ※来年1月28日に予定される4団体統一王者 ジャーメル・チャーロ(米)vs ティム・チュー(豪)勝者への挑戦権。

 

 

【ウェルター級:指名戦】

 

  3団体統一王者 

  エロール・スペンスJr.(米)

   vs 

  1位/元WBA&WBC王者 

  キース・サーマン(米)

 

 

【ライト級:挑戦者決定戦】

 

  1位 

  イサック・クルス(メキシコ)

   vs 

  4位/元世界2階級王者 

  シャクール・スティーブンソン(米)

 

 ※4団体統一王者 デビン・ヘイニー(米)の次戦は元世界3階級王者 ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)が有力で、その勝者への挑戦権となる見込み。

 

 

【スーパーフェザー級:王座決定戦】

 

  WBCフェザー級王者 

  レイ・バルガス(メキシコ)

 vs

  1位 

  オシャキー・フォスター(米)

 

 ※前王者 シャクール・スティーブンソンの王座剥奪(防衛戦の前日計量で体重超過→失格)に伴う決定戦

 

 

【フェザー級:暫定王座決定戦】

 

  WBC&WBOスーパーバンタム級王者 

  スティーブン・フルトン(米)

 vs

  1位/前WBA&WBCスーパーバンタム級王者 

  ブランドン・フィゲロア(米)

 

 ※現王者レイ・バルガスが(上記のスーパーフェザー級王座決定戦に敗れるなどによって)フェザー級王座に留まる場合は、フルトンvsフィゲロア勝者と団体内統一戦。

 

  バルガスがフェザー級王座返上、もしくはフルトンvsフィゲロア勝者との対戦を放棄/拒否した場合は暫定王者が正規王者へ昇格。

 

 

【フェザー級:挑戦者決定戦】

 

  2位/元WBOスーパーバンタム級王者

  アイザック・ドグボエ(ガーナ)

 vs

  3位/前王者 

  マーク・マグサヨ(比)

 

 

【スーパーバンタム級:挑戦者決定戦】

 

  1位/元WBCバンタム級王者 

  ルイス・ネリ(メキシコ)

   vs

  2位 

  アザト・ホバニシャン(アルメニア)

 

 

【バンタム級:王座決定戦】

 

  1位 

  ジェイソン・モロニー(豪)

 vs 

  4位/前王者/元世界5階級王者 

  ノニト・ドネア(比)

 

 ※3団体統一王者 井上尚弥(大橋)選手が12月13日のWBO王者 ポール・バトラー(英)戦に勝利し、王座を返上した場合。

 

 

【バンタム級:挑戦者決定戦】

 

  2位 

  ナワポーン・ソー・ルンビサイ(タイ)

   vs

  7位/元WBC暫定王者

  レイマート・ガバリョ(比)

 

 

【スーパーフライ級(正規):王座決定戦】 

 

  フランチャイズ王者 

  ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)

   vs

  1位/元世界4階級王者 

  ローマン・ゴンサレス(ニカラグア=帝拳)

 

 ※前正規王者 ジェシー・ロドリゲス(米/帝拳)の返上で空位となった王座を、12月3日に開催されるエストラーダvsゴンサレス第3戦で決定戦承認。

 

 エストラーダにとっては実質的な団体内統一戦。

 

 

【スーパーフライ級:挑戦者決定戦】

 

  2位/元WBCライトフライ級王者 

  ペドロ・ゲバラ(メキシコ)

 vs

  5位/前WBAスーパーフライ級王者 

  アンドリュー・モロニー(豪)

 

 ※エストラーダvsゴンサレスⅢ勝者への挑戦権

 

 

【ライトフライ級:指名戦】

 

  王者

  寺地拳四朗(BMB)

   vs

  1位/元WBA&IBF王者

  ヘッキー・ブドラー(南アフリカ)

 

 

タイトルを絡めた話になると不確定要素が混ざるため、単に発表された対戦カードについてのみで言うと…

 

豪打のワイルダーvsプヨプヨ体型だけど動けるルイスJr.

 

クロフォードとの4冠統一戦が流れたスペンスJr.vsブランクから復帰し、まだ一線でイケそうなサーマン

 

突貫ファイター〝ピットブル〟クルスvs天才型技巧派スティーブンソンの好対照対決

 

昨年11月の対戦が2ー0判定の接戦だったフルトンvsフィゲロア(この時はフルトンが勝利)再戦

 

そして過去1勝1敗のエストラーダvs〝チョコラティート〟ゴンサレスの決着戦

 

… は特に要注目、と思います。

 

かつて八重樫東(大橋)氏との決定戦に7ラウンドKO勝ちで世界タイトル獲得、木村悠(帝拳)氏に2ー1判定で王座を明け渡し、寺地選手が初防衛戦で2ー0判定で退けたゲバラが2階級アップして挑戦者決定戦か、というのもちょっとした感慨。

 

一方で、井上選手に敗れた後まだ再起戦も行っていないドネアが王座決定戦出場とか、同様に前戦を負けて以後リングに上がっていないマグサヨ(今年7月、レイ・バルガスに2ー1判定負けで王座陥落)やナワポーン(先月、ジェイソン・モロニーに3ー0判定負け)、無名相手にひとまず復帰したばかりで実績面を欠くガバリョが挑戦者決定戦に出る、というのは疑問大。

 

(ドネアはスーパーフライ級に下げて世界タイトルを獲るとコメントしていましたが、方向変換?)

 

また今回は、WBO王者 ジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)との3団体統一戦を希望している寺地選手にも指名戦が指令された形。

 

とはいえ、次戦で必ずとか対戦期限まで設定された訳ではないようなので、早い時点でゴンサレス戦の交渉がまとまれば、統一戦を優先=指名戦をその次に先延ばしすることはたぶん可能な筈。

 

 

なお、WBCは今回の総会で、ウクライナに侵攻したロシア及びそれを支持するベラルーシの選手をランキングから除外することも決定・発表。

 

既に今春ころに執られた措置と概ね同じようなもの?と思われますが、現状WBCの王者にこの2国の選手はおらず、取り敢えずタイトルマッチ開催等に影響はなさそう。

 

ただ、ロシアからカナダに国籍変更したライトヘビー級王者 アルトゥール・ベテルビエフは問題ナシにしても、4団体統一戦が期待されるWBA同級スーパー王者 ディミトリー・ビボルはキルギス出身ながら拠点はロシア(国籍も?)ということで、このビッグマッチ実現の支障にならないのか、そこは気になるところです。