京口紘人に挑むアクセル・アラゴン・ヴェガ、勝てば史上「最小」の世界王者 !? | ボクシング・ダイアローグ

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13日(日本時間14日)、米テキサス州ダラスのアメリカン・エアラインズ・センターで、ファン・スランシスコ・エストラーダ(メキシコ)vsローマン・ゴンサレス(ニカラグア/帝拳)と共に開催されるWBA世界ライトフライ級(スーパー)タイトルマッチ、王者 京口紘人(ワタナベ)vs挑戦者10位アクセル・アラゴン・ヴェガ(メキシコ)。

 

京口選手の優位は動かないだろう、との個人的予想からヴェガに対してさしたる関心が湧かなかったため、過去の試合チェックなどはせずにいたんですけど・・・

 

先日、何げに空き時間に試合映像を検索し、すぐ見つかった2試合ほどをサラッと観る機会がありまして。

 

戦力判断、という本来の目的の結論としては、京口選手危うし!と思わされるようなレベルとは感じられず、そのへんは予想の範疇内だったんですが・・・

 

自分が画面越しに目を引かされたのはそっちではなく、随分とヴェガって体が小さいんだな、という部分。

 

ヴェガがミニマム級で世界初挑戦(負傷判定負け)した試合でも、開始直後まず真っ先に「んっ?」となったのは、大柄という訳でもない王者ウィルフレド・メンデスとの身長差。

 

そこでちょっと気になって、映像を両選手のデータ比較表の画面に戻して確認すると、ヴェガの身長は4フィート9インチとなっていて。

 

日頃ヤードポンドには無縁なため、大雑把に150センチちょいくらい?かなり小さいな、でももともとはミニマム級(全17階級中の最軽量級)の選手だし、小柄なのはある意味当然か、みたいな感じで、気になったことは一先ずいったん消えました。

 

ただ、スレンダー体形な分もやや長身に見える(?)メンデスとの対比だけでなく、メンデスより小さい筈のジオ・ノリエガとの試合(ヴェガの痛烈なKO勝ち)を観ても、ひと目で判るくらいなヴェガの小柄さになんか引っ掛かりを覚えた、というか再び気になって。

 

で、漸く本格的に?気になったところで4フィート9インチって、メートル&センチ換算すると正確な数値はどのくらい?と思い計算してみたところ・・・ 何と144.78センチメートル。

 

映像だけでも相当に小柄なのはすぐ判るにしろ流石にちょっとビックリして、これはもしや中継局がテロップを誤表記した可能性もあるんじゃ?とも考え、それではとBox Recをチェックしてみると・・・ 

そちらでは4フィート9インチ1/2となっていて、僅かな違いはあれど、まぁほぼ同じ。

 

といって、Box Recの方が正確との前提で半インチ分をプラスしても、それでも146.05センチ。

 

電卓画面がはじき出したその数字を見、思わずう~む・・・ と。

 

いくらボクシングが階級制のスポーツとはいっても、極端なくらいに体が小さい選手はやはり相当なハンディがある筈。

 

そうした点をちゃんと認識した上で初めから大きな夢は見ず、何らかの個人的な目標や諸事情でリングに上がるようなケースは少なからず存在するでしょうが・・・

 

(チャンピオンになるなんて無理なのは解ってるけど、自分ができるMAXの所を目出したい、僅かなファイトマネーだろうと稼げるなら試合をしたい、しなきゃならない、など)

 

そんな大きなハンディを克服して王者になる(目指す)、それも「世界」となれば、何らかのズバ抜けた持ち味が平均レベル&恵まれたの体格の選手より余分に必須でしょう。

 

実際のところ、過去には身長150センチそこそこくらいの世界王者はそれなりに出現しており、ミニマムやライトフライ(今は17階級中2番目に軽いクラスながら、ミニマム級が創設される以前は最軽量級だった)あたりの歴代王者から小柄だった選手を思い起こしてみると・・・

 

古くはパスカル・ペレス、最近でもイヴァン・カルデロン、レオ・ガメス、熊朝忠など、流石に数的には少ないながら、それでも体格の不利を様々にカバーし、世界の頂点を極めた選手は確実に存在しています。

 

(ペレスは日本初の世界王者の故・白井義男さんからタイトルを奪取したフライ級の名王者。その当時はライトフライ級もなく、フライ級が最軽量級だった)

 

とはいえ、140センチ台の世界王者というと・・・ 自分の記憶にあるのはジェイコブ・マトララ(南アフリカ=フライ級で戴冠後、ライトフライに落として2階級制覇)くらい。

 

こちらも一応Box Recををチェックしてみると、4フィート10インチ1/2(148センチ)となっており、ああ、記憶違いじゃなかったかと思いつつも、その他にもまだ誰か存在したか否かとなると・・・ ???

 

すぐに王座陥落した選手などは、細かなデータなど調べたところでまず出て来ませんので、もしかしたらそうした選手にもっと小さな王者が存在していた可能性はあるかもしれませんが・・・

 

個人的にもしや?と思い当たるのはネトルノイ・ソー・ボラシン(タイ)くらい。

 

でも、ネトルノイは150センチを少し切るくらいだったような記憶があり、それが間違いなければ現時点で史上最も小柄な世界王者はマトララ、ということになる筈。

 

そういう前提がある中で日本時間の明後日、京口選手に挑むヴェガは4フィート9インチ1/2と、マトララより更に1インチ小さい・・・。

 

現地時間11日、ダラス市内のホテルで行われた会見について報じた複数の日本国内メディアの記事には「ベガは身長147センチと小柄で~云々」とあり、若干の数値の違いはありますけど、それが正しいとしてもマトララよりまだ1センチ小さく・・・

 

ということは、ヴェガがもし勝ったらマトララの〝記録〟を更新することになる訳で。

 

個人的には映像で少々観た程度ながら、ヴェガは体格差をカバーするために時おり思い切って踏み込んで左フックや右を当てに行くスタイルの、あまり攻防にバリエーションはないタイプ、とみています。

 

なので順当なら京口選手の勝利はかなりカタい、と予想していますが、史上最小かもしれない王者誕生シーンを見てみたい気持ちも正直、ちょっとあり。

 

そのへんはボクシングに限らず、いろんな分野・意味で、大きなハンディキャップを背負いながらもそれを克服し、世に人に凄い!素晴らしい!と認められる人物から教えられることは多い、と考える自分の性分のせいかもしれません。

 

【ご注意】

 

今回の内容については、マニア的な自分の記憶をもとに、ざっとではありますが裏付け的な情報チェックもした上で書いております。

 

最小の世界王者はマトララじゃなくて〇〇だよ!みたいな事実誤認の類が含まれているかもわかりませんので、そうした点に留意いただくと共に、間違いがあった場合はご容赦いただければ・・・ 

 

と、お願いいたします。

 

京口vsヴェガの興味を少しでも増やせれば、と思い投稿した次第です。