へし切長谷部は、池の中にぷかぷかと浮かぶモロコシ様を発見した。

朝日が反射する水面に、神々しく漂うとうもろこしの姿。
それはまるで……沈まぬ伝説のタイタニック号のように、堂々とした佇まいを見せていた。

「……主。」

長谷部は、ぐるりと本丸の方を振り向いた。
そこには、ナマズオマスクをかぶり、しめしめeyeを発動しながらそっと後ずさる審神者・ギョリイの姿があった。

「池にモロコシ様をポチャンしたのは……主ですね?」

鋭い眼光。低く響く声。
まるで審神者を問い詰めるためだけに生まれてきたような、その佇まい。

ギョリイはナマズオマスクの下で滝汗をかきながら、必死に誤魔化そうとした。

「う、うぺ?オ、オラ知らないっぺよ!?モロコシ様が……自分の意思で……海(池)へ還りたがって……」

「……主。」

長谷部の拳が震えている。
その横で、加州清光と安定が腕を組みながら、半笑いで見守っていた。

「そういえば主、昨日の夜、めっちゃ感動しながら『ありがとうジャック……オラ、忘れないっぺよ……』って言ってポチャンしてたよね?」

安定の鋭いツッコミに、ギョリイは「うぺぇぇぇ!!?」と驚愕。

「そ、それは……!」

ギョリイは焦りながら池を見た。
水面に浮かぶモロコシ様が、朝日に照らされてキラキラ輝いている。

長谷部はため息をつくと、そっと池に手を伸ばし、モロコシ様をすくい上げた。

「……救助完了。モロコシ様は生きている。」

長谷部は無言でモロコシ様をギョリイの手に押し付けた。

「主、二度とモロコシ様を海(池)に還さないように。」

その場の空気が凍りつく。
ギョリイはそっとモロコシ様を抱きしめながら、ぺこりと頭を下げた。

「……タイタニックごっこは、もうやらないっぺ。」

こうして、ナマズオ的タイタニックごっこは幕を閉じた。