ヤンサの風は乾いていた。

草原はどこまでも広がり空は澄みきっている。


――にもかかわらず。


🐟🐟🐟🐟🐟🐟🐟🐟

「「「暑いっぺぇぇぇぇぇぇ❣️❣️❣️」」」


その一団のせいで、すべての情緒は吹き飛んでいた。

新人ナマズオーエル・ギョリイは、小さくなで肩を落とす。


∈(👁️___👁️)∋💦

「ナマズオの体力ゲージが消えるっぺ……」


乾いた風に混じって、ため息が流れていく。

そのときだった。


「そんなときはこれっぺ」


ぺよちゃんが、さも当然のように何かを差し出した。


ギョリイは目を細める。


それは紙だった。

だが、ただの紙ではない。

色は黒ずみ、角は丸く削れ、表面にはうっすらと白い結晶が浮いている。


∈(👁️___👁️)∋

「……それ何っぺ」


ぺよちゃんは胸を張る。


🐟ぺよちゃん

「7020年前に塩漬けされた地図っぺ❣️」


一瞬、風が止まった気がした。


∈(👁️___👁️)∋

「長期保存しすぎっぺぇぇぇぇ‼️」


「風味が増してるっぺ」

「むしろ熟成っぺ」


周囲のナマズオたちは妙に納得した顔をしている。


∈(👁️___👁️)∋

「それ大丈夫なやつっぺ⁉️」


疑問は残ったが流れは止まらない。


ズン、と地面がかすかに鳴る。


巨大ナマズオーエル・ギョミヤちゃんが、一歩前へ出た。


🐟💗

「行くっぺ❣️」


その一言で、なぜか場の空気が整う。


地図は広げられた。


パリパリ、と乾いた音がする。

風にあおられ端が少し欠けた。

気づけば、なぜか枚数が増えている。


🐟こてつちゃん

「どれが本体っぺ?」


🐟なまうちゃん

「全部コピーっぺ」


∈(👁️___👁️)∋

「もう運命任せっぺぇぇぇぇ‼️」


結局、直感で場所を決めた。

ギョリイはしゃがみ込み地面に手を当てる。


一拍。


次の瞬間――


カッ、と光が弾けた。


土が割れ、ゆっくりと現れる宝箱。

その存在感に思わず息を呑む。


∈(👁️___👁️)∋✨

「で、出たっぺ……❣️」


しかし、その余韻は長く続かなかった。

低い唸り声が、草の奥から響く。


影が動く。


魔物だ。


∈(👁️___👁️)∋

「やっぱり来るっぺぇぇぇぇ‼️」


🐟イッキちゃん

「オラが敵視を集めるっぺ」


「かっこいいっぺ」

「ナマズオの中のナマズオっぺ」

「惚れるっぺ」


「言いにくいんだっぺが…スタンス入ってないぺ」


🐟イッキちゃん

「フッ…わざとだっぺ」


∈(👁️___👁️)∋

「だ、大丈夫っぺか⁉️」


そのとき。


ズン、と重い音が大地を打つ。


ギョミヤちゃんだった。


🐟💗

「下がるっぺ❣️」


その声はやわらかいのに逆らえない。

ぷるん、と体が揺れた。

それだけで空気が変わる。


魔物が一瞬、たじろいだ。

次の瞬間にはもういなかった。

静けさが戻る。


「……勝ったっぺ」


誰かが呟いた。


∈(👁️___👁️)∋✨

「ギョミヤちゃん最強っぺぇぇぇぇ❣️❣️」


そして、宝箱。

ギョリイは慎重に蓋に手をかける。


開く。


光が溢れた。


空間が歪む。


「来たっぺ……」


足元が消える。


視界が揺れる。


次に見えたのは石造りの部屋だった。


静まり返った空間。


そして――


二つの扉。


ウズネアカナル。


ナマキン大王さまへと続く、運命の分岐点。


∈(👁️___👁️)∋

「……どっちっぺ……」


沈黙が落ちる。


背後から視線が集まる。


🐟よがちゃん

「任せたっぺ」


🐟ティアちゃん

「地図の責任も含めて任せたっぺ」


∈(👁️___👁️)∋

「責任盛りすぎっぺぇぇぇぇ‼️」


そのとき、隣にやわらかな気配。


ギョミヤちゃんが寄っていた。


🐟💗

「直感でいいっぺ❣️」


その言葉に、ほんの少しだけ呼吸が整う。

ギョリイは手を伸ばした。

迷いながら、それでも決める。


∈(👁️___👁️)∋

「……こっちっぺ❣️」


扉に触れる。


押す。


開く。


――静寂。


次の瞬間。


💀「ブー」


∈(👁️___👁️)∋

「7020年の塩漬けのちずさぶぁぁぁあああああ‼️‼️‼️」


床が消えた。


全員、落ちる。


抗う間もなく。


ほんの0.7020秒の出来事だった。


気づけば、またヤンサの草原。


風が吹き、草が揺れる。


何も変わっていない。


ただ、少しだけ心が静かだった。


∈(👁️___👁️)∋

「……塩漬けの地図…しょっぱいっぺ……」


「熟成が足りなかったっぺ」

「あと7020年置くっぺ」


∈(👁️___👁️)∋

「まだ置く気っぺ⁉️」


そのとき。


やさしい声が落ちる。


🐟💗

「ギョリイちゃん❣️」


振り向くと、ギョミヤちゃんがいた。


🐟💗

「また行こっぺ❣️

とりあえず今日はセイゲツさんにお宝を献上しに行くっぺな❣️」


それは、あまりにも自然な言葉だった。


励ましでも、慰めでもなく、ただ“次”を示す声。


後ろでは、


「次こそ当たるっぺ」

「毎回言ってるっぺ」

「塩追加するっぺ」


そんなやりとりが、いつものように続いている。


ギョリイは、小さく息を吐いた。


そして――


∈(🔥___🔥)∋

「……ナマズオォォオオオ❣️❣️❣️」



と叫びながらも、このあとの大理セキへの報告に行くのが怖くて仕方ない新人ナマズオーエル・ギョリイであった。