男に促されるまま、彼女は客間へと通された。
まだ信じられない。
──自分が合格?
何も特別なことをしたわけではない。ただ、そこに「屋敷が見えた」というだけで。
「どういうこと……?」
彼女の中に疑問が渦巻くが、目の前の男は変わらぬ落ち着いた表情で座っていた。
そして、彼は静かに言った。
「ここに、五振りの刀があります」
彼女が視線を向けると、客間の床の間には五振りの刀が綺麗に並べられていた。
「加州清光、歌仙兼定、山姥切国広、蜂須賀虎徹、陸奥守吉行──」
一振り一振りの名前を告げる男の声には、どこか敬意が感じられる。
彼女は戸惑いながら、じっと刀たちを見つめた。
「この中から、一振りを選んでほしい」
「……一振り?」
男は頷く。
「選んだ一振りは、君のこれからを助けてくれるはずだ。審神者となる君を」
彼女は再び五振りの刀に目を向けた。
それぞれが、どんな存在なのかは分からない。
ただ、確かなことは──
この選択が、これからの「自分の道」を決めるということだ。
彼女は息を飲み、ゆっくりと手を伸ばした。
──始まりの一振りを、選ぶために。