ある日、ギョリイは通販で「カーッッッ」を購入した。
カーッッッとは、暴れん坊将軍で上様が刀を抜き、振り向きざまに鳴る効果音――そのものを再現できる魔法のアイテムである。
「オラ、これで上様になれるっぺ!!」
……とはならなかった。
なぜならギョリイはナマズオマスクをかぶった審神者であり、そもそも「上様役」ではなく、「カーッッッ役」をやりたいからである。
「まんばっぺ! ちょぎっぺ! 上様になってくれっぺ!!」
「は!? 俺が?」
「……いや、俺がやるべきだろう」
山姥切国広と山姥切長義が、まさかの上様役を巡って対立する。
「どっちが上様にふさわしいか決めようじゃないか!」
「いや、そういう話じゃ……」
「二人ともカッコいいっぺから、ダブル上様でいくっぺ!」
「「ダブル!?」」
そんなわけで、「W上様 VS 悪代官刀剣男士軍」 の対決が始まった。
本丸特別時代劇:『暴れん坊刀剣男士』 開幕!
悪代官役:へし切長谷部
悪徳商人役:鶴丸国永
手下役:不動行光 & 加州清光 & 大和守安定
町人A:雲次(やる気なし)
「ククク……この本丸の金庫は、すべて俺のものだ……!」(悪徳商人・鶴丸)
「お代官様ぁ~、この金で見逃してくだせぇ~」(悪徳商人・鶴丸)
「ふっふっふ……金を積めば、なんでも許される世の中よ!」(悪代官・長谷部)
「悪党どもめ!」(W上様・山姥切国広 & 山姥切長義)
シャキーン!!!
山姥切国広 & 山姥切長義が刀を抜く!
その瞬間――
「カーッッッ!!!!!」
ギョリイの持つ「カーッッッ」が爆音を響かせた。
ドォン!!!(爆発音)
「「うわあああああああ!!??」」
悪代官たちは吹き飛んだ。
なぜか爆発した。
「ちょっ!? 音の衝撃すごすぎるだろ!!」
「本当に江戸時代の効果音なのか!?」
「カーッッッ!!!」
ドォン!!!(再び爆発)
「主、やめろ! 本丸が吹き飛ぶ!!!」(長谷部)
「もう上様どころの話じゃないよ!!!」(清光)
「くっ、天気予報にこの事態はなかった……!」(雲次)
しかし、ギョリイは止まらない。
「これが……! これが上様のチカラだっぺぇぇぇ!!!」
ナマズオ族の審神者が暴走する本丸。
爆発音に怯える刀剣男士たち。
こうして本丸に新たな伝説――「暴れん坊刀剣男士 ~カーッッッの乱~」 が刻まれたのであった。
【後日談】
翌日、燭台切光忠が本丸を修理しながらポツリと呟いた。
「まさか、カーッッッが爆発音を伴うとはね……」
鶴丸国永は笑いながら言った。
「いやぁ、驚いたな! でも、こんなド派手な暴れん坊将軍、なかなか見られないぜ?」
長谷部はうなだれていた。
「……もう二度とやらないぞ」
しかし、ギョリイは満足げにニヤリと笑うのだった。