「オラも運命の出会いがしたいっぺぇぇぇ!!」

薩摩の本丸の大広間で、審神者・ギョリイの叫びが響き渡った。

「は?」
「また妙なこと考えてるんじゃないだろうな……」

加州清光と山姥切国広が呆れ顔でこちらを見ている。

「オラな、こう……さつまおいもを食べながら走ってる時に、曲がり角でフィレオフィッシュ!!ってぶつかりてぇんだっぺ!!そんで、ぶつかった相手と運命の恋に落ちたいんだっぺ!!」

「フィレオフィッシュ!?」
「いや、なんでフィレオフィッシュ……?」

「それだけじゃねぇっぺ!!その傍で、しいたけの着ぐるみが『ご一緒にしいたけはいかがですか…?』ってつぶやくのがポイントだっぺ!!」

「着ぐるみ……?」

本丸の刀剣男士たちが、ギョリイを静かに見つめる。

「清光、まんばっぺ、ちょぎっぺ、長谷部!!協力してくれっぺ!!」

「なんで俺!?」「俺もかよ!?」「主の趣味には付き合いきれん……」「主!?」

こうして、薩摩の本丸にて前代未聞の 「運命の出会い大作戦」 が決行されることとなった――。

運命の出会いシミュレーション:第一回目

場所:本丸の庭

役割分担
ギョリイ:さつまおいもを食べながら走る
山姥切長義:角から出てくる運命の相手
加州清光&大和守安定:しいたけ着ぐるみ
へし切長谷部:運営(指示出し&整備)


「準備はいいか?」
長谷部が鋭い視線を送る。

「ばっちりだっぺ!!さつまおいも、いただくっぺぇぇぇ!!」

ギョリイは勢いよくさつまおいもをかじり、全速力で庭を駆け抜ける!

「うぺぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

「はぁ…俺も行くか……」
山姥切長義が冷静に角から登場。

「フィレオフィッシュ!!!!!」

ドンッ!!

ギョリイは長義に激突し、綺麗な放物線を描いて転がる。

その瞬間、角の向こうから 「ご一緒にしいたけはいかがですか……?」 と、不気味な声が響いた。

「!?」

ギョリイが振り返ると、そこには……

巨大なしいたけの着ぐるみ が二体、揺れていた。

「き、清光!?安定!?なんでそんなモコモコしてるっぺ!!?」

「主のために、着ぐるみを用意したんだろ……?」
しいたけ清光が無表情で立っている。

「……動きづらい……」
しいたけ安定はしょんぼりしていた。

「すごいっぺ……!!完璧っぺ!!!」

「いやいやいや、どこがだよ!!!」
清光がツッコミを入れる。

「ちょぎっぺ!!オラと運命の恋に落ちるっぺか!!!」

「落ちない」

「落ちねぇのかぁぁぁ!!!」

運命の出会いシミュレーション:第二回目

場所:修練場の裏

役割分担
ギョリイ:さつまおいもを食べながら走る
へし切長谷部:角から出てくる運命の相手
鶴丸国永&不動行光:しいたけ着ぐるみ


「よし、もう一回いくっぺ!!」

ギョリイ、再びダッシュ!!!

「フィレオフィッシュ!!!!!」

ドンッ!!!

「ぐっ……!!?」
長谷部が強烈にぶつかられ、盛大に転ぶ。

その瞬間、角の向こうから 「ご一緒にしいたけはいかがですか……?」 と、またしても不気味な声が。

ギョリイが振り向くと、そこには……

白いしいたけ(鶴丸)と、小さいしいたけ(不動) が揺れていた。

「おい……鶴丸、なんで着ぐるみが白いんだ……?」
長谷部が呻く。

「しいたけの概念に囚われるなよ、長谷部。俺は”驚きのしいたけ”さ」
白しいたけ鶴丸がカラカラと笑う。

「もうやめようよ……しいたけ役、地味にきついんだけど……」
不動が涙目になっている。

「長谷部!!オラと運命の恋に……!!!」

「主……俺に何を求めているんだ……?」

長谷部は虚無の目をしていた。

運命の出会いシミュレーション:最終回

場所:本丸の廊下

役割分担
ギョリイ:さつまおいもを食べながら走る
雲次:角から出てくる運命の相手
燭台切光忠&三日月宗近:しいたけ着ぐるみ


「最後のチャンスだっぺ!!」

「戦場の天気は変わりやすいものだ……運命も同じさ」
雲次が低く呟きながら角に立つ。

ギョリイ、全力疾走!!!

「フィレオフィッシュ!!!!!」

ドンッ!!!!!

「っ……!!」

しかし、雲次は咄嗟にギョリイを抱き留め、転ばなかった。

「おっと……無理は禁物だ」

「うぺ……!?」

ギョリイが見上げると、雲次の冷静な瞳がそこにあった。

その傍で、燭台切と三日月が優雅にしいたけ着ぐるみのまま、ポーズを決める。

「ご一緒にしいたけはいかがですか?」

「ふふ、面白い遊びだな」

ギョリイの心臓が、ほんの少しだけ高鳴る。

(あれ……これ……なんか……運命っぺ……?)

「……雲次、オラと運命の恋に……!?」

静寂が訪れる。

雲次は一瞬だけ考え、ふっと微笑んだ。

「……それも、ありかも」

「うぺぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

ギョリイは全力で転がった。

「な、なんで転がるんだ主!?」「ギョリイ!?」「え、今のってどういう……!?」

しいたけ着ぐるみの二人も、突然の展開に動揺している。

「オラ、運命の恋に落ちちまったっぺぇぇぇぇぇ!!!!!」

「ふふっ」
雲次はどこか楽しそうにギョリイを見つめた。

こうして、ギョリイの 「運命の出会い大作戦」 は、予想外の結末を迎えることになったのだった――。