――薩摩の本丸、庭園・モロコシ様畑。
時は流れ、季節は巡る。
ギョリイは刀剣男士たちの助けを借りながら、モロコシ様畑を大切に育ててきた。
最初こそ水やりすらままならず、鍬の持ち方すら怪しかったギョリイだったが、刀剣男士たちの指導のもと、徐々に畑仕事のコツを掴み始めていた。
そして――
「うぺっ!?」
ギョリイは目を疑った。
畑には、見渡す限りの黄金色のとうもろこしが実っていたのだ。
「モ、モロコシ様が……!!」
ギョリイはじわりと涙を浮かべ、震える手でとうもろこしを撫でる。
「ついに……ついに黄金のモロコシ様が降臨したっぺぇぇぇ!!!」
ギョリイの歓喜の叫びが本丸中に響き渡る。
「おーい、朝っぱらからうるさいぞー」
加州清光が欠伸をしながら庭へとやってきた。
「主、どうかしたの?」
大和守安定も後に続く。
「うぺぇぇぇぇ!! ついにモロコシ様が育ったっぺぇぇぇ!!」
「……え? ほんと?」
「うぺ!! これを見てみるっぺ!!」
ギョリイが指差す先には、たわわに実った黄金色のとうもろこし。
「すげぇ!! ちゃんと育ってる!!」
不動行光が目を見開いた。
「これは、立派な出来栄えだな」
へし切長谷部も腕を組んで感心する。
「なんだかんだで、ちゃんと収穫までたどり着いたんだな……」
山姥切国広がしみじみと呟く。
「まあ、主が一人で育てたわけじゃないけどね」
山姥切長義が静かに笑う。
「でも、途中でやる気なくならずに世話し続けたのは偉いと思うよ」
大和守安定がギョリイの頭をぽんぽんと軽く叩いた。
「ふふん! 当然だっぺ!! オラ、モロコシ様を愛してるっぺもん!」
ギョリイは得意げに胸を張った。
「……まあ、途中で踊ってただけの時期もあったけどね」
加州清光が呆れ顔で付け加える。
「う、うぺっ!?」
「ま、せっかくだし、収穫祭でもやるか?」
鶴丸国永がニヤリと笑う。
「収穫祭!! それ、いいっぺぇぇ!!」
「とうもろこし料理、たくさん作る?」
大和守安定が楽しげに言う。
「なら、僕が料理を担当するよ」
燭台切光忠が現れ、優雅に微笑んだ。
「モロコシ様を最高のご馳走にしてあげるよ」
「みっちゃん……!!」
ギョリイの目が輝いた。
「やるっぺ!! 黄金のモロコシ様を祝うっぺ!!!」
こうして、薩摩の本丸で「黄金のモロコシ様収穫祭」が開催されることとなった――。