「主!ちょっとこれを試してみないか?」
鶴丸国永がニヤニヤしながら、白い粉の入った袋をギョリイに差し出した。

「うぺ?」

「これはな、驚きの新兵器……『超・すべすべ白粉』ってやつだ。塗るだけで肌がすべすべになり、まるで白磁のような美しさを手に入れられるって代物さ!」

「ほほう……そんなすべすべになる粉、ほんとっぺか?」

「おお、俺が保証するぜ! ほら、きみも試してみたらどうだ?」

ギョリイはナマズオマスクの下で眉をひそめた。どう考えても怪しい。しかし、鶴丸はどこまでも自信満々である。

「鶴丸、オラにこんな怪しい粉を勧めるとは……」

「怪しくないって! これは本丸の薬研が蔵から見つけた貴重な一品でな、俺が試してみたら本当にすべすべになったんだぜ?」

「ほう……(しめしめeye)」

ギョリイはしめしめeyeを発動し、白粉の袋を受け取った。
「じゃあ、試してみるっぺな!」

そう言って、ギョリイは袋の中の粉を手に取り、ポーキースーツの足元にささっと塗ってみた。

「おおっ、なかなかの感触だっぺ!」

「だろ? さあ、さっそく庭の石畳を歩いてみるといい!」

「???」

鶴丸が妙に得意げな顔をしているのが気になったが、とりあえず庭へ出てみることにした。

———そして次の瞬間。

「うぺえええええええええええええええ!!!」

ギョリイのむちむちあんよが、つるんっと滑った! 予想以上の滑りっぷりだった。ポーキースーツの足元に塗られた超すべすべ白粉が、完璧なまでの摩擦ゼロの状態を生み出し、ギョリイは一瞬にして石畳の上をスケートのごとく滑走したのだった。

「うおお!? 主!すごい勢いで行ったな!!」

「止まらんっぺええええ!!」

ギョリイはあゆみよりステップどころではない速度で庭を駆け抜け、見事なスピンを決めながら池の縁へ一直線!

「おっと!これはさすがにやばいな!」

慌てた鶴丸がギョリイを追いかけるが、すべすべ白粉の効果は絶大だった。ギョリイはあらぬ方向へスライドし、ついには池の中へ——

ドボン!!!

「うぺえええええええええええ!!!!!」

水しぶきが上がり、ギョリイは豪快に池へダイブ。水面には、ぷかぷかと浮かぶナマズオマスクとポーキースーツ。

「はははっ!! まさかこんなに滑るとはな! いやぁ、驚いた驚いた!」

「うぺえええええええ!!! 」

「すまんすまん、でもほら、これで最高に驚いただろ?」

ギョリイは池の中でぶるぶる震えながら、鶴丸を睨みつけた。

「覚えとけっぺよ……今度こそオラがびっくりさせてやるっぺからな……!」

「おっ、楽しみにしてるぜ!」

こうして、鶴丸国永とギョリイの驚き合戦は薩摩の本丸の名物と化したのだった。