本丸・医務室――

鶴丸国永は、目の前の光景に言葉を失っていた。

「……なんだ、これは……」

思わず、低く呟く。

――ギョリイが、ナマズオ族ではない?
――いや、それどころか人間だったとは……。

驚愕を通り越して、思考が追いつかない。
しかし、ひとつだけ確信したことがあった。

「あの六振りが過保護なわけが、分かった気がするな……」

山姥切国広、山姥切長義、へし切長谷部、不動行光、加州清光、大和守安定。この六振りは、明らかにギョリイに対して他の刀剣男士たちよりも異様に過保護だった。

最初は「まぁ、主だからな……」と軽く考えていたが、今ならはっきり分かる。

「……なるほどな……」

鶴丸は、ギョリイの寝顔を見つめながら、苦笑した。
今までの出来事が、一気に繋がった気がする。

「ってことは、あいつらはずっとこの秘密を守ってたわけか……」

思い返せば、不動行光は最初ギョリイに対してやたら反発していたが、ある時を境にすっかり懐いていた。
加州清光と大和守安定は、ギョリイのマスクを妙に気にしていたし、長谷部に至っては主を抱えるように移動することもあった。

――あれは、全部ギョリイの正体を知っていたからなのか。

「いやぁ、これは驚きだな……本当に……」

鶴丸は、もう一度ギョリイの寝顔を見つめた。

「……まさか、お前が……」

その時――。