本丸の庭。
ギョリイがさつまおいもを植えようとしたその瞬間、地中から巨大な壺が姿を現した。
「これは……! きっと古のナマズオ族の遺産っぺ!!」
そう叫ぶギョリイに対し、周囲の刀剣男士たちは、一斉に微妙な顔をした。
「……いや、そんなわけないだろ」
「どう見てもただの壺だが……」
山姥切国広と山姥切長義が冷静に指摘するが、ギョリイは興奮したまま壺の周りをぐるぐる回る。
「何が入ってるっぺ!? 黄金レガシー!? それとも伝説のナマズオの書っぺか!? オラの運命がここに詰まってるかもしれんっぺな!!」
「おい、主……壊すなよ」
不安そうな山姥切の声も届かず、ギョリイはナマズオパワー全開で壺の蓋を開けようとする。
「いざ、開封っぺなああああ!!」
バンッ!!!
瞬間――。
壺の中から、勢いよく白い煙が噴き出した。
「うぺぇぇぇあああ!!?」
ギョリイ、盛大に吹っ飛ぶ。
「痛ぺぇぇぇ!!!」
あえなく地面に転がり、むちむちぼでーが揺れる。
その様子を見た長谷部が、猛ダッシュで駆け寄った。
「主!! 大丈夫ですか!!?」
「主、だから言っただろ……」
山姥切がため息をつきながら手を伸ばすが、ギョリイは悶絶しながらも立ち上がる。
「うぅぅぅ……なんか、中から煙が……」
「当たり前だ。何百年も埋まっていた壺なんだから、湿気やらカビやらでいっぱいだとは思うが」
長義が冷静に解説するが、ギョリイは違うっぺな!と言わんばかりに叫ぶ。
「違うっぺ! これはナマズオの神々が遣わした煙っぺ!! きっとオラに試練を与えようとしてるっぺよ!!」
「いや、そんなわけないだろ」
「はあ…仕方のない主だね…」
山姥切と長義、即座に否定。
しかし、壺から出た煙は本丸の庭に広がり、周囲に妙な雰囲気を漂わせていた。
「……なんか、甘い匂いがする?」
清光が鼻をひくひくさせる。
確かに、どこか焼き芋のような香ばしい匂いが漂っていた。
「まさか……これは……!!」
ギョリイの目が輝く。
「この壺、ナマズオの神が作ったさつまおいも製造壺っぺな!?」
「そんな都合のいいものあるか!!!」
全員が全力でツッコんだ。
しかし、その時。
ゴゴゴゴゴ……!!
地面が揺れる。
壺の中から、何かが動く気配……。
「……な、なんか出てくるんじゃないか?」
「……いや、まさか……」
刀剣男士たちが警戒する中、ギョリイは再び壺に近づき、ナマズオマスクを整えた。
「オラが、受け止めるっぺ……!!」
そう言った次の瞬間――
バァァァァン!!!
壺の中から勢いよく飛び出したのは、なんと……
大量のさつまいもだった。
「えええええええ!!?」
本丸の庭に、雨のように降り注ぐさつまおいも。
「な、なんで……?」
「おい、どうなってるんだ?」
刀剣男士たちが呆然とする中、ギョリイだけは拳を握りしめ、叫んだ。
「オラの勝ちだっぺえええええ!!!」
こうして、ギョリイのさつまおいも大作戦は、思わぬ形で大成功(?)を迎えたのであった。