「最近、主のナマズオマスクが取れやすくなっている……!」
山姥切は、深刻な顔で腕を組んだ。
「それは問題だな」
長谷部が眉をひそめる。
「せっかく記憶を取り戻したというのに、またマスクが外れて人間だとバレたら、今度こそ本丸が大混乱だ」
「うちの主が可愛すぎるのがいけないんだ……」
山姥切は遠い目をした。
「そういうことを言っているんじゃない」
長谷部が呆れながら咳払いをする。
「問題は、どうやってマスクが外れないようにするかだ」
「そうだな……何かいい方法は……」
そこへ、長義がすっと手を挙げた。
「いい考えがある」
「なんだ?」
「物理的に固定する」
「物理的に……?」
「たとえば、紐でしっかり結ぶとか?」
「いや、それは見た目が変になるだろ……!」
「じゃあ、頭にガッチリフィットする特注マスクを作るとか」
「特注マスク!?」
「そうだ。主の顔に完全にフィットするマスクを新しく作れば、簡単には外れないはずだ」
「なるほど……それなら、戦闘中でも外れる心配はないな」
長谷部も納得したように頷く。
「でも、そんな都合のいいマスクをどうやって……」
「審神者専用の装備を作る鍛冶師がいるはずだ。そいつに頼めば――」
「いや、待て」
山姥切が制止する。
「鍛冶師に頼むということは、審神者の顔の型を取らなければならない」
「……あ。」
全員が一瞬、沈黙する。
――ギョリイの素顔を見せるわけにはいかない。
「……ダメだな、やめよう」
「じゃあ、どうするんだ?」
長谷部が腕を組む。
「他に何か方法は……」
「……接着剤?」
「却下」
「うーん……」
全員が頭を抱えていると――
「お? なんだか難しい顔してるぺよい?」
――ギョボクさんが現れた。
「ギョボクさん!!」
長義が目を輝かせる。
「ちょうどいいところに! ギョボクさん、何かいいアイデアはないか?」
「ナマズオマスクが外れやすくなってるのかぺよい?」
「そうなんだ。何かいい方法は?」
「簡単ぺよい。ナマズオの魂を込めればいいぺよい」
「魂……?」
「そうぺよい。ナマズオ族は信じる心が大事ぺよい」
ギョボクさんはナマズオマスクをそっと持ち上げると、何やら呪文のようなものを唱え始めた。
「ナマズオの魂よ、ここに宿れ……ぺよい……」
すると――
バチィッ!!!
「……ん?」
「なんか……マスク、ピッタリしてる……?」
ギョリイが試しにマスクを触ると、驚くほどしっかりフィットしている。
「これで外れにくくなったぺよい。」
「す、すごい!!」
「やっぱりナマズオ族ってすごいんだな……!」
「ふふん、ナマズオの信仰の力ぺよい」
こうして、ギョリイのナマズオマスクは、ナマズオの魂の力で外れにくくなったのだった。
「……でも、もしまた取れそうになったら?」
「そのときは、もっとナマズオを信じるぺよい」
ギョボクさんはそう言って、満足げに去っていった――。