夕暮れの本丸を並んで歩くギョリイと山姥切長義。
長義は特に何かを言うわけでもなく、ただ静かにギョリイの隣を歩いていた。
そんな穏やかな時間を過ごしていたふたりだったが——
「……何してるんだ、お前たち」
低く、少しムスッとした声が響いた。
ギョリイがびくっと肩を揺らし、振り向くと——そこには 山姥切国広 の姿があった。
「まんばっぺ……?」
ギョリイが驚いていると、山姥切はじっと長義を見つめながら、どこか不機嫌そうな表情を浮かべていた。
「……あんた、さっきの騒ぎの後で落ち込んでるんじゃないかって、心配して様子を見に来たんだが……」
その言葉に、長義はふっと笑う。
「主が落ち込んでいたのは確かだが、俺がこうして気分転換に付き合っていたところだ」
「……」
山姥切の目が、じとっと長義を睨む。
「……ずいぶん楽しそうだな」
「……うぺ?」
ギョリイはキョトン虚無顔になる。
(もしかしぺ…まんばっぺとちょぎっぺって…掛け算な関係っぺか?)