深夜、静まり返った薩摩の本丸。
しかし、居間には明かりが灯され、数振りの刀剣男士がじっと座っていた。

「……遅いな。」
山姥切国広が腕を組みながらぼそりと呟く。

「まったく、こんな時間まで帰ってこないとは……!」
へし切長谷部は苛立ちを隠せず、何度も時計を睨んでいる。

「……まさか、エオルゼアのナマズオたちと一緒に落ちたまま、どこかへ行ってしまったんじゃないだろうな?」
薬研藤四郎が冗談めかして言うと、加州清光がぴしゃりと返した。

「それ、笑えないんだけど?」

「主なら帰ってくるとは思うけど……まさか、また新しいナマズオ文化に染まってるんじゃ…」
大和守安定は不安そうに呟く。

「まさか、帰ってきたら”ナマズオは滑落してこそ一人前っぺ”とか言い出したりしないよな?」
不動行光が警戒するように身構える。

「ふふっ、ありえるなぁ。面白いことになりそうじゃないか?」
鶴丸国永はニヤニヤしていたが、どこか心配そうでもある。

その時——

ギィ……

玄関の引き戸が静かに開いた。
刀剣男士たちの視線が一斉にそちらに向かう。

そこに立っていたのは——

「……ただいまっぺ……」

ナマズオマスクを被ったままのギョリイだった。

しかし、どこか様子がおかしい。
いつもの元気いっぱいな姿ではなく、まるで 魂が抜けたような歩き方をしている。

「主!? 何があった!?」
へし切長谷部が真っ先に駆け寄る。

「無事か!? どこかケガでもしたのか……?」
山姥切国広も心配そうに近づいた。

「……滑落ナマズオのイベントは……すごかったっぺ……」

ギョリイはふらふらとした足取りで居間に入り、そのまま座布団にぺたりと座り込んだ。

「ど、どういうこと?」
大和守安定が恐る恐る尋ねる。

ギョリイはぽつりぽつりと話し始めた。

「最初はかわいいナマズオたちが整列して、みんなで記念撮影したっぺ……」

「うん……それで?」

「そして、時間が来たら……ひな壇が突然 消えたっぺ!!!!!!」

バンッと両手を広げるギョリイ。

「……それはチラシに書いてあった通りだろ?」
加州清光が冷静にツッコむ。

「そうなんだけど……その瞬間っぺ……一斉にみんなが『うぺぇぇぇ!!!!』って叫びながら落ちていったっぺ……ナマズオたちが一斉に落ちるその光景は……あまりにもシュールで、あまりにも壮絶で……オラは……オラは……!」

「オラは……!! 涙が出るほど笑ったっぺぇぇぇぇ!!!!」

ギョリイは ばたり と仰向けに倒れ、床をバンバン叩いた。

「めちゃくちゃ面白かったっぺぇぇぇ!!ナマズオたちが『うぺぇぇぇ!!』って叫びながら滑落していくのが最高だったっぺ!!しかも座布団だけは落ちなかったっぺ!!」

刀剣男士たちは、一瞬静かになった後、同時に はぁ…… とため息をついた。

「……まぁ、楽しめたなら良かったんじゃないか?」
山姥切長義が半ば諦めたように言う。

「で、主……次は何を持ち帰ってきたんだ?」
薬研藤四郎が尋ねる。

ギョリイは しめしめeye を発動させ、ニヤリと笑った。

「ナマズオの教訓を持ち帰ってきたっぺ……!」

「教訓?」

「ナマズオは……滑落してこそ、一人前っぺ……!!!」

「やっぱりかーーー!!!!」





こちらはウペックスに掲載したものの写しになりますぺ
https://x.com/Harii22Exabyte/status/1901676752566616249