こんにちは、「MUNI」でグラフィックデザイナーをしているAちゃんです。

 

新型コロナウイルス問題が深刻になり、オリンピックを筆頭に

コミックマーケットや各種イベントやコンサートなど、様々な

行事が中止や延期となっております。

 

そんな中、少し体調を崩していたのですがこんな時期に風邪を

患っても、軽率に病院にかかれないという気持ちになってしまう

のは私だけではないかもしれません。

私もまだ全快には至りませんが、みなさまもどうぞ身近な体調不良

お気をつけください。

 

そして延期といえば、2020東京オリンピックの延期が決定致しました。

日本は昭和15年(1940年)に開催される筈であった札幌オリンピック

が中止(日中戦争の為)となり、開催権を返上したという過去がありました。

 

先日この時代のお話を読む機会がありまして、当時の事が大変

わかりやすく、そして身近に感じる事ができた本があったので

今日はその本のご紹介をさせていただきます。

 

松たか子さん主演で映画にもなっておりますので、多くの方は

ご存知かと思いますが、私は恥ずかしながら存じませんでした。

 

 

📕「小さいおうち」 著:中島京子

 

 

 

ふと本屋にでかけた時に目に止まった、きれいなオレンジ色の表紙。

そして帯に書かれていた「昭和モダン、戦争、ひそやかな愛の記憶」

このフレーズにやられました。

あまり本をカバー買いする事はないのですが、時代背景が好みで

あったこと、直木賞作品である事で購入を決めました。

 

私はこの時代(昭和初期〜戦後)を書いた小説や映画が好きなのですが、

今まで殆ど軍事関係のものばかりを見てきた為、

こういった我々国民が戦争というものに対して

どれだけ理解のない中(正しい知識)、戦火の渦中に巻き込まれて

いったのか…

という過程を記した話は初めてでした。

 

さて、内容は勿論さることながら諸所における文体の優しさや、

場面の光景が目の前に広がってくるような、鮮明なうつくしさが

きらきら光るガラス玉の様で本当に秀逸です。

時子奥様の上品でまだ娘の心を忘れていないような、そんな

浮世離れしているような愛らしさ、その奥様を中心として回っている

小さな家の家族とそれに伴うひとびと。女中のタキちゃん(時子奥様が

タキちゃんと呼ぶ、その親しみを込めた感じが凄く好きです)

の移り行く心と、時代背景が語彙力がなくて申し訳ありませんが

本当に、すばらしくて最後は涙を零しながら読了いたしました。

 

戦前、というともう食べ物や着るものがなくて貧しい時代であった。と

思う人も多くいるかと思います(私もそうでした)

しかし実際は、今とそこまでかわらない食べ物やくらしぶりをしていた

という事に驚きました(勿論家電などはありませんが)

華やかな銀座で洋食を食べ、洋風のお家に住みオリンピックを楽しみに

する国民のこころは、きっとそこまで大差なかったのでしょうね。

 

 

世界的なパンデミックで今、人々のこころは落ち着かずささくれて

います。嫌なニュースや聞きたくない、見たくない情報も多くあります。

その中でもわたしたちは生きているわけで、今できる事を精一杯

するよりも他はないかもしれませんが、必ずはじまりがある物は

終わりがあります。

目下、自分の体調管理をしっかりして少しでも穏やかに過ごせる

工夫をしていきたいです。

(風邪をひいている私が威張って言う事ではありませんが…)

 

おしまい

 

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