こんにちは、「MUNI」でグラフィックデザイナーをしているAちゃんです。
今日は本の話です。
私は趣味が読書なのですが、好きなジャンルがありまして
・歴史小説(戦国時代、幕末)
・昭和初期(戦前、戦後)
・明治(日露戦争前後)
・食の本
・純文学(谷崎潤一郎、江戸川乱歩、太宰治、三島由紀夫など)
なんかをよく読みます。
固くて古めかしい表現や、うつくしい日本語で綴られた本が
大好物なのですが、いかんせん身近に本好きが義父くらいしかいません。
元々すきな物を共有しようと思わない(共有する事も得意じゃないです)
のでそれは問題ないのですが、そんな中でも読んだ本の覚書として
ふたつご紹介させていただきます。
まずひとつめ。
📕「散歩のとき何か食べたくなって」 池波正太郎:著
鬼平犯科帳シリーズや、真田太平記でお馴染みの
池波先生のご本です。
池波先生は、美食家としても有名であられるので
先生が尋ねられた各所のお店のお話が綴られております。
滋賀県のお店も紹介されていて、それだけで
大変うれしい気持ちになりました。
なにより先生の「食物」を美味しくお書きになる、
その文体がとても好きなのです。
蕎麦、うなぎ、てんぷら、懐石、中華、どじょう…etc
さながら自分もそこへ足を運んで食べているかの
様な満足感があります。
先生の食へのこだわりと愛をしかと感じる事が
できる一冊です。
そしてふたつめ。
📗「食卓の情景」 池波正太郎:著
池波先生の食物本その二。
先程の「散歩〜」よりも分厚く、先生の子供時代の
思い出のどんど焼きや、お正月の話。またご家族の
話が「散歩〜」よりも色濃くあります。
私は子供の頃から「食べ物」を表現するという
事がとても好きで、それは絵でも文字でも良いのです。
幼稚園の頃に買ってもらったキンダーブックの「氷」や
「みかん」といったリアルに描かれた絵本を何度も
読み返していた事を今でも覚えていますし、
食玩と言われる蝋細工でできた食品サンプルも大好きです。
そんな中、文字で「おいしそう」と思った最初の記憶が
小学生の頃に読んだ「小説ドラゴンクエスト」だったと
思います。
「あつあつのパンに燻製の魚を挟んでむしゃぶりついた」
という表現がすごくおいしそうに思えて、燻製の意味が
わからなかったのにも関わらず、何度もそこを繰り返し
読んでは「あつあつのパンにはさんだ何かおいしそ〜〜」って
思っていました。笑
そんなわけで食べ物を書いた本が今も昔も大好きです。
その中でも池波先生のこの二冊は、小学生の時のあの
記憶がふつふつと湧き上がってくるのです。
戦前、戦後の昭和という時代の中で変化していくもの、
かわらないものの中で人間の「生」に欠かせない「食べる」
という行為をなんとも見事に書き記されていて、
「おいしそう!」という、純粋な気持ちが脳に直結する
とにもかくにもたまらない…ご本でした。
おしまい
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