PHOTONET | 櫻田宗久オフィシャルブログ ミラクル☆ムネトピア


櫻田宗久オフィシャルブログ ミラクル☆ムネトピア

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韓国の写真雑誌「PHOTONET」にて掲載されました


海外各国キューレーターが注目する次世代作家

Japan

curator 石原悦郎

artist 櫻田宗久




夢の世界の表出、デジタルコラージュの世界


櫻田宗久は自分が夢見る世界、そして自身の夢の中に登場する世界を写真作品として表現する。

すなわち、作家の世界観が写真作品として表れているのである。

夢は抽象的ではあるが、その抽象的である夢のストーリーはこの世界の具体的存在と関わりを持ち私達にメッセージを送る。

もしも夢が単なる抽象世界の混沌としたものであるならば、私達はその夢について理解が出来ないはずであり何も関りを見出す事が出来ないであろう。しかし、夢の中では現実で見た具体的な空間と様々な存在などが登場し我々が経験した現実の何かと関り理解可能なものになる。

櫻田宗久の作品は写真が持つ現実的要素とデジタル表現が持つ夢の混沌的要素が適切に交わっている。写真、又は絵画や文字などの伝達媒体が持つ特徴は何かの事物の記号的要素を持っている事である。その中でも写真はその存在を代替する記号的要素ではなく、その事物が持つイメージの要素を直接的に伝達する力を持っていると言える。櫻田宗久の夢が絵画ではなく写真を利用したデジタルコラージュで表現されている理由もここにある。




自由が無い芸術は意味が無い。又、自由の無い感性は存在しない。

写真作家は本来まじめではない。まじめというのは普遍的であって、枠にはまりやすく理性的で、この様な人物が芸術作品を創作する場合は感性的要素に欠ける。

すなわち、まじめな人の作品は彼自身が持つ知識とその型が自身の作品の羽根を奪い自由を妨げる。さて、櫻田宗久はどうだろうか。その点において櫻田宗久の作品は彼が持つ純粋な自由を感じる。彼は非常に感性的人物であって枠にはまらない。彼の作品は「夢の中の話」を具現化したものである。「夢」という非常に抽象的領域が彼の世界観と作品世界を形作っているカギとして働いているのである。

芸能界のアイドル出身である櫻田宗久は芸能活動を辞め作家としての活動に邁進している。

彼の独特な趣向は日本の現代文化を彼自身の解釈として昇華させている。

デジタルコラージュで表現した彼の作品は日本のアニメ文化による影響とアニメ世代の美的感覚を残す。20世紀の人物達を映像の世代と呼ぶならば21世紀に生きる彼らはアニメの世代と定義できる。実際21世紀の観客は過去に比べより早く反応し、陳腐で古典的映像よりは楽しさと刺激的要素が溢れるアニメ的表現になじんでいる。

ようするに櫻田宗久は自分達の世代と疎通する一番効率的な方法を知っているのだ。

又、彼の作品は非常に女性的であり作家自身も女性的感性を豊富に持ち合わせている。

作品に現れる女性的感性の表出は彼の作品を繊細で独特な作品として昇華させる要素となる。

作家としての使命感を持ち、幼い時の「夢」を写真で表現している櫻田宗久の作品はこれらの意味として注目するべきである。


金 東鉉 日本特派員