前日本銀行総裁の黒田東彦氏が講演で「ロシア経済に『将来はない』」と述べている記事に目がとまる。正確を期すために全文紹介したい。

 

 日本銀行前総裁の黒田東彦・政策研究大学院大特任教授が20日、世界経済をテーマに京都市内で講演した。ウクライナ侵略を続けるロシアの経済について「将来はなく、無視すべき状況だ」とし、日本政府や企業が出資する露極東サハリン沖の石油・天然ガス開発事業からも「撤退した方がいい」との考えを示した。

 黒田氏は、日本の天然ガスの輸入先の多くが豪州や東南アジアだと指摘し、「ロシアとの関りは薄い。なぜ撤退を決めないのか分からない」と語った。

 黒田氏は講演後、読売新聞などのインタビューに応じた。日銀総裁に就任時に「2年程度」での実現を掲げた「持続的安定的な物価上昇率2%」が達成できなかったことについて、「デフレマインドを払拭できなかったことが大きかった」と振り返った。(21日読売新聞朝刊4面)

 

 物価上昇率2%をぶち上げながら実行できなかった黒田氏の話であるので、どこまでロシアのことを理解しているのか疑わしい。

 現在、天然ガスはオーストラリアから35.8%、マレーシアから13.6%、カタールから12.1%、アメリカから9.5%、ロシアから8.8%輸入している。

 石油はサウジアラビアから40%、UAE(アラブ首長国連邦)34.8%、クウェート8.5%、カタール7.4%、ロシア3.7%である。

 ロシアからのエネルギーの占める割合は1割を超える。これを簡単に「撤退した方がいい」というのは「木を見て森を見ず」の話ではないか。

 中東はさまざまな問題を抱えている。もし何か起きた場合のエネルギー安定供給はどうなるのか。念には念を入れて考えておかなくてはならない。

 日銀総裁を辞めてから勇ましいことを言うのはいかがなものか。信念を持って発言するなら責任ある立場の現職の時、言うべきである。

 「犬の遠吠えみたいな話だ」という声が何件か私のところに寄せられた。

 大阪に行きお参りをし、大阪から千歳に飛び札幌に入る。日本中を廻りながら、その地、その場所の人間関係に触れるだけでも有難いことだと思いながらの移動である。

 

20日のコメント

 谷口ダイゴさん、「憂国のラスプーチン」私と佐藤さんの生き方をよく表しておりますので読んで戴ければ幸いです。

 慎一さん、現実を直視すべきです。

 さださん、庶民の味、値段であってほしいものです。

 ひでおさん、国の基本政策の一つに国家安全保障があります。

 谷口ダイゴさん、鈴木宗男なりの生き様をして参ります。

 tkjさん、日本の食文化ですね。