中国の王毅外相(兼国務委員)がインドを訪問し、ジャイシャンカル外相と会談している。

 王毅外相は「『両国関係は長期的視点で見なければならない。中国はインドの発展を歓迎しており、国際問題において、より重要な役割を果たすことを歓迎する』と述べたという」(朝日新聞6面)。

 国連総会のロシア非難決議で、中国、インドは棄権に回った。インドはクアッド(米国、日本、オーストラリア、インド)の一員であるにもかかわらず独自の外交を貫いている。

 地政学的に見てもインドの置かれている立場がそうしている。自国を守るための知恵のある懸命な外交判断ではないか。

 中国とインド2カ国で27億人の人口を有する。世界の人口の35%を占める。このインドの独自外交を参考にすべきではないか。

 資源なき日本がアメリカ一辺倒で本当にやっていけるだろうか。アメリカがかつての「世界の保安官」「世界の財政国家」だろうか。重層的、多面的に考えた外交をとってほしいと願ってやまない。

 10時半から函館市の隣、北斗市茂辺地-木古内道路の開通式が行われ、鋏入れ式、通り初め式に出席する。

 平成6年、事業化が決定し平成10年、私が国務大臣北海道開発庁長官の時、用地取得に入り平成12年に工事着手となり、私が深く関係した事業である。

 16キロの開通に20年もかかっていることに政治力がなかったと思いながら、物流の移動、さらには観光と大きな役割を果たすのは当然だが、人道道路として命を守る道路であることを挨拶の中で訴えた次第だ。

 午後の便で函館から丘珠空港経由で釧路に向かったが、釧路空港悪天候のため、上空で天候回復を待ち、1時間遅れの到着となった。

車で2時間以上かけ、根室市で北方領土から引き揚げて来られた元島民の代表者と懇談する。

 もう引揚者の3分の2の方が亡くなられ、生存している元島民の平均年齢は87歳、人生限られている。

 ウクライナ問題で日本はロシアから非友好国リストに入ってしまった。

 22日のロシア外務省の声明で「現在の状況では日本との平和条約にかんする交渉を継続するつもりはない。1991年からのビザなし交流についても停止についての決定が行われた。」

そのことについて元島民の皆さんに説明し、さらに日本政府の考え等を説明させて戴いた。

現下の状況を話しながらも、元島民の落胆する表情に何とも言えぬ思いに駆られた。

元島民の皆さんには「何があっても私は諦めないで、私の立場で北方領土解決に向け、努力して行くことをお誓いした次第である。


※函館・江差自動車道茂辺地木古内道路(北斗茂辺地IC〜木古内IC)開通式




※元島民代表者との懇談会