「折れない翼 伝説は続く 北京逃した49歳『一生に一度』4年後に」と毎日新聞1面見出し記事に目が留まる。続けて3面に「家族支えに恩返し 豊富な経験弟子に」とある。

 スキージャンプの葛西紀明さんのことを昨日、毎日新聞は大きく取り上げている。記事の最後の部分を紹介したい。

 

 葛西さんの5歳下の妹、久美子さんは93年に血液の難病を患い、入退院を繰り返した。94~95年、葛西さんはけがでシーズンを棒に振った。母の幸子さんは96年に火事に巻き込まれて重いやけどを負い、97年に48歳で亡くなった。講演では病床の母にもらった手紙も読み上げた。

 〈紀明、突然の手紙です。どん底からはい上がってきた息子を頼もしく思っています。これからもいろいろなことがあると思います。たとえどんなことがあったとしても、あなたは強い人間だから、負けるようなことはないと信じています。久美子も不安の中、一生懸命頑張っています。同じきょうだいで一人は世界に、一人は生きることに夢と希望を持って生きています。そんな子供たちを誇りに思います。お母さんは偉そうなことは言えませんが、今、一生懸命生きていたいんです。一生に一度、縁があって巡り合えた人を大切にしてください〉

 久美子さんは16年、38歳で亡くなり、直後に葛西さんに長女が生まれた。葛西さんは講演で「生まれ変わりではないが、娘のために頑張ろうと思いました。家族の支えがあってここまで続けてこられた」と家族の存在が競技生活の支えだと明かした。

 北京五輪が絶望的になった昨秋、葛西さんは自身の原動力の変化をこう語った。

 「金メダルを持っていないからという気持ちでオリンピックに行こうと思っていました。ソチでメダルを取った後はたくさんの人に応援してもらえた。もっと頑張ったら、たくさんの人が応援してくれる。やめないで頑張らないとダメだと感じました。それが快感というか、やりがいです」

 

 「親思う心に勝る親心」とよく言われるが、この親にしてこの子ありと感じながら、若くして亡くなったお母さんが、妹さんが、天上から葛西選手を応援していることだろう。

 時に目に見えない大きな力が働くことがある。「大逆転」とか「奇跡」とか「運」とか、色々表現はあるが、4年後の葛西選手に今から注目したい。

 「レジェンド」と呼ばれる男の努力する、頑張る姿を称えながら…。

 今日で私は74歳の誕生日を迎えた。胃癌、食道癌2回、大腸癌と4回の手術があったが、健康で元気にいられることに、丈夫な体をつくってくれた亡き両親、ご先祖のご加護に手を合わせる次第だ。

 生涯政治家として、鈴木宗男の生き様を示して参りたい。