12月26日の北海道新聞1面、3面、5面に、安倍晋三元総理の単独インタビュー記事がある。

 「『2島返還』軸 認める」「北方領土交渉 現政権に継承要求」という見出しになっている。

 安倍元総理はインタビューで、「外交において100点を狙って0点になるならば、何の意味もありません。『100点を狙いました』というのは言っただけに等しい。たとえそれが歴史の正義であったとしてもです。であるならば到達点に、要するに合意に至れる、ロシア側が考慮する可能性のあるものを投げかける必要があると考えました」「役所には無謬(むびゅう)(せい)があって、自分たちがやったことは間違っていない、先輩の言うことは聞かないといけないといって、変えられない。だから政治レベルで判断しないといけない。彼らが言っていることで成し遂げられるのかということです」「米ソ冷戦構造の時代は、全部返せと言っていれば済みました。よく専門家がタイミングがどうだったかという話をしますが、タイミングはいつなのかということです。批判するのは簡単です」「路線を考え直せば、日ロ関係は100パーセント後退すると思います。日本は信用できない、また元の主張に戻ったのかということになりますよ。日本が強い主張をしたら何か変化があるというのは大きな勘違いです。いかに現実的に考えるかだと思います。ということであれば、ロシアが唯一、国会で承認し、プーチン氏も認めた日ソ共同宣言しかありません」と応えている。

 岸田総理は、安倍元総理と同じ価値観を共有していると、国会答弁からして受け止めるが、外務省のロシア外交関係者がどう受け止め、どのような動きをするのかアンテナを立てて参りたい。

 今年もあと4日となった。官公庁の仕事納めは28日と聞いているが、今日の議員会館は、顔見知りの官僚が年末挨拶にくる程度で、静かなものである。

 コロナ禍で生活様式はもちろん、仕事のやり方も3年前とは全く違うことになった。

 来年こそはコロナの収束から終息へと流れてほしいものである。