昨日の北方領土の日「北方領土返還要求全国大会」について読売新聞は「北方領土問題 首相進展に意欲」と見出しは良いが、4面でベタ記事扱いである。
 朝日新聞は2面で「四島『法的根拠なく占拠』北方領土の日 従来の強い表現に戻る」4段。
 日本経済新聞は2面で「首相、日ロ交渉『着実に』 大会声明『法的根拠なき占拠』」と5段の囲み記事。
 毎日新聞は2面で「北方領土大会で『不法占拠』復活 アピール選択」2段のベタ記事扱い。
 産経新聞は1面で「『不法占拠』3年ぶり使用 北方領土の日 首相、交渉意欲」となっている。
 2面でも「北方領土交渉進展厳しく コロナで首脳対面も困難」と書いてある。

 大会宣言には「不法占拠」という表現はなく、国会答弁でも使われた「法的根拠のない」という書きぶりだが、ここは産経さんの一方的な思い込みでの見出しだろう。
 沖縄問題があれば全国紙は1面で扱うが、北方領土となると産経さんは1面だが、他紙はせいぜい2面、多くは3面、4面でしか取り上げない。
 領土問題は国益にかかわる重要な外交案件だが、ローカル扱いしかしない日本のメディア文化が国益の何たるかをどこまで理解しているのかと首を傾げざるを得ない。
 世論啓発と言う言葉がよく使われるが、外交は過去のさまざまな合意、約束、宣言、声明等、積み重ねの上で最高首脳が判断するしかない。
 2018年11月14日安倍総理は、シンガポールでの日露首脳会談で「これしかない」との決意と覚悟で「シンガポール合意」を成し遂げた。この考えでしか北方領土問題解決、平和条約締結はない。
 昨日の産経新聞5面に「論点直言」で、「北方領土 菅政権どう動く」というテーマで私は「平和条約締結後に歯舞群島と色丹島を日本に引き渡すことを明記した共同宣言に沿い、この2島の返還と、残る2島の自由往来や共同経済活動などを組み合わせた『2島返還プラスα』しか現実的な解決策はない」と主張させて戴いた。
 袴田茂樹氏は、領土と経済「拡大均衡」に戻れと言うが、ソ連崩壊後、1993年武藤嘉文外相の時、使ったフレーズであり、今の時代に合う話ではない。ソ連時代の頭作りでは解決できない。
 私は信念を持って現実的解決に向け、安倍路線を継承する菅対露外交を支持して参りたい。