昨日の柔道東京オリンピック男子66キロ級代表決定戦、24分間があっという間だった。
 阿部一二三選手、丸山城志郎選手共に全力を尽くしての戦いだったが、勝利の女神は阿部選手に微笑んだ。
世界選手権ならば2人の枠がある。オリンピックは1人である。攻防を見ながら2人とも勝たせたいという気持ちになった。
勝った阿部選手は「丸山選手がいなかったらここまで強くなれていない。本当にライバルという存在」と言い、丸山選手は「阿部選手の存在があったからこそ自分自身を追い込むことが出来ました。僕を成長させてくれたのも彼の存在があったのは間違いないです」と述べている。2人とも見事なスポーツマンシップ、心構えである。
長く語り継がれる昨日のワンマッチであり、歴史的な一戦の主審を務めた天野安喜子さんの凛としたお姿も印象に残った。神々しくさえ見えるその振る舞いにも感動した。
それぞれの役割を果たしての24分間のドラマだった。
 阿部選手は妹さんも東京オリンピック出場を決めており、男女の兄妹での出場は2004年アテネ大会陸上室伏広治、由佳、2012年ロンドン大会の体操田中和仁、理恵、佑典以来とのことだ。来年のオリンピック、兄妹での金メダルを待ちたい。
 久し振りに緊張感溢れるスポーツの醍醐味を教えてくれた阿部、丸山両選手を称えてやまない。