「史上最大の復活劇」(読売新聞23面スポーツ)という見出しが躍る。大相撲7月場所で優勝を飾った照ノ富士への賛辞である。
大関まで昇りつめたが、怪我、病気で序二段まで下がり、引退を考えたが、師匠伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)が「まずは体を治すんだ」と引き留めたという。
 親方が簡単に照ノ富士の意向を受け入れていたら「史上最大の復活劇」はなかった。
 序二段で土俵に上がった時「今の自分を受け入れてやりきろう」と気持ちを切り替えたそうだ。
 NHKテレビのインタビューで「色んなことがあったけど、最後は笑える日が来ると信じてやってきた。一生懸命やればいいことがある」と語る照ノ富士に、心からの拍手を送った次第だ。
 落ち込み、進退伺いした時、それを止めた親方も立派だ。そして照ノ富士本人の我慢、辛抱、努力が大輪の花を咲かせた。
 今、コロナで苦しんでいる人が沢山いる。よもやの災害で大変な目に遭っている人がいる。そんな人たちに夢と希望を与える照ノ富士の優勝ではないか。
 私自身、「何があっても諦めない。生きていれば良いことがある。いや、逆転もある」と言い聞かせ、心ある皆様のお陰で今働く機会を得た者として照ノ富士の姿は他人事(ひとごと)でない思いがし、感激、感動してやまない。