東日本大震災から9年である。あの時、私は喜連川社会復帰促進センターで収監中だった。
お年寄りを入浴させるべく車椅子を押していた時、大きな揺れがきた。お年寄りにケガをさせてはいけないと必死に車椅子ごと押さえていた。
長い時間揺れが続き、私も北海道で震度5までの揺れは経験しているが、後で震度6弱と聞き、改めて経験したことのない揺れだったことが判った。
犠牲になられた方々、被災されたすべての皆さんにお悔やみとお見舞いを申し上げ、7月からの東京オリンピック・パラリンピックで、復興した日本の姿を世界に示したいものである。
 政府はコロナウイルス対策もしっかりやっているが、東日本大震災復興・復旧も継続して進めて戴きたい。
 改めて9年前、あの津波の犠牲になった方々、ご家族、関係者のお心をお察し申し上げたい。
 昨日の外交防衛委員会での質疑で大事な点が確認できた。読者の皆さんにお知らせしたい。

(質問・鈴木宗男)サンフランシスコ講和条約、その前のポツダム宣言、ヤルタ協定からの流れの中で、日本は無条件降伏書に署名してのサンフランシスコ講和条約ですよ。あのとき吉田茂総理が、日本は国土の四五%を失うのでありますと演説ぶっているんですよ。その四五%を、私は外務省に聞いたら、資料がないとか、何をもって四五%と言ったか分からないという答えなんですよ。
これ、茂木大臣ね、私はちょっと誠意がないと思うんです。
サンフランシスコ講和条約の(a)、いわゆる領土の(a)、(b)、(c)項には全部、朝鮮半島の放棄、台湾周辺の放棄、そして南樺太、千島列島の放棄をうたっている。これ全部足したら四五%なんですよ。何でそれを正直に認めないんですか。時の日本国総理、全権代表が言っている話なんです。それを、資料がないなんてどこに言えるんですか、外務省。
ここを、茂木大臣、私は、外務省がこの「われらの北方領土」でもですよ、日本の領土は変わってない、国後、色丹、歯舞、択捉も入っているみたいな、いつもこのことを書いていますけれども、その後にですよ、吉田総理は、この平和条約を受諾するために我が国は四五%の領土と資源を喪失するのでありますと明確に言っているんですから。それを何で公に認めないんですか。しかも、今日、このサンフランシスコ講和条約のおかげで日本は国際社会の仲間入りをしてあるんですからね。
是非とも、ここら辺は私は正直にやってもらいたいと思いますが、大臣、どうでしょうか。

(答弁・国務大臣 茂木敏充) サンフランシスコ平和条約の第二条では、委員御指摘のように、(a)項、(b)項、(c)項と、ここが規定をされているところでありまして、吉田茂全権の発言はこれを踏まえたものと、このように理解をいたしております。
その上で、私も、この間の発言あってから、本当にそういう資料ないのかと、ちょっと徹底的に調べさせたんですが、資料というものはありませんが、今申し上げたように、この吉田茂全権の発言というのはこのサンフランシスコ平和条約の第二条の(a)項、(b)項、(c)項で規定されていることを踏まえたものであると、このように理解をいたしております。

サンフランシスコ講和条約 第2章領域 第2条(a)(b)(c)項では「朝鮮の独立を承認して、済州島、巨文島及び欝陵島、台湾及び澎湖諸島、千島列島並びに樺太の一部及び、これに近接する諸島に対する千島列島、南樺太のすべての権利、権原及び請求権を放棄する」とサンフランシスコ平和条約に書かれていることを公に認めたことは評価したい。
 この歴史的事実を正確に受け止めている茂木大臣の頭作りに期待したい。
 国民から選ばれた国会議員は、正しい歴史を頭に入れてほしいものである。
 外交は積み重ねであり、今後とも事実関係を明らかにして参りたい。