コロナウイルスで各団体、業種すべてが大変な事態になっているが、なかでもスポーツは体力、精神力一体で結果が出るものである。
 昨日から国技大相撲大阪場所が始まった。無観客での取り組みで、力士が一番戸惑っていることだろう。
 八角理事長がお客さんのいない土俵で挨拶されていたが、見事な内容だった。後半の部分をご紹介したい。

「このようなお客様のいない本場所となり、力士にとっても、気持ちを整えるのが難しい非常に厳しい土俵となりますが、それでも全力士は、全国各地で応援してくださっている郷土の皆様やファンの方々の歓声や声援を心に感じ、精いっぱいの土俵を務め、テレビでご観戦の皆様のご期待にお応えするものと存じます。
古来から力士の四股は、邪悪なものを土の下に押し込む力があると言われてきました。また、横綱の土俵入りは五穀豊穣と世の中の平安を祈願するために行われてきました。
力士の体は、健康な体の象徴だともいわれます。
床山が髪を結い、呼出が拍子木を打ち、行司が土俵をさばき、そして、力士が四股を踏む。この一連の所作が、人々に感動を与えると同時に、大地を鎮め、邪悪なものを押さえこむのだと信じられてきました。
こういった大相撲のもつ力が、日本はもちろん世界中の方々に勇気や感動を与え、世の中に平安を呼び戻すことができるよう、協会員一同、一丸となり、15日間、全力で努力する所存でございます。何とぞ千秋楽まで、温かいご声援を賜りますよう、お願い申し上げごあいさつと致します」

 心のこもった、魂の入った八角理事長の挨拶に、改めて国技大相撲の重みを感じた次第だ。
 東京オリンピック男女マラソン代表の残り一枠が決定した。男子は大迫選手が先週の東京マラソンで日本記録を出しており、間違いないと思った。
 女子は松田瑞生選手が1月26日大阪国際で2時間21分47秒の好記録を出し、代表に近づいたと思ったが、なんと昨日22歳の一山麻緒選手が2時間20分29秒、国内日本最高を出し、大逆転での代表である。
 勝負の世界、どこかに何かが待っている。いや、何か起きるとつくづく思った。
 コロナウイルスで暗い気持ちでいた多くの人に、勇気や希望を与えてくれ素晴らしい走りだった。
 大迫、一山選手のオリンピックでの活躍を期待したい。