昨日の「北方領土返還要求中央アピール行動」で、昨年は「平和条約を締結せよ」「北方領土問題を解決せよ」と声を上げていたが、今年は「北方領土を返せ」と、昔のフレーズに戻ってしまった。
 今、安倍総理とプーチン大統領との間で、昨年までは年4回、今年も3回首脳会談を行い、着実に平和条約締結に向けて前進している。
 それなのに「返せ」という表現に戻ることはなんとも知恵のない、入口で話がストップする出口のない頭づくりである。
 外交には相手があり、お互いの名誉と尊厳があり、国益がかかっている。日本が100点、ロシア0点はなく、また、その逆もないのである。
 外交は政府の専権事項である。安倍総理は熟慮に熟慮を重ねて昨年11月14日、シンガポールで「1956年日ソ共同宣言を基礎に平和条約締結に向け交渉を加速する」で合意にこぎつけた。このラインで信頼関係を積み重ね、交渉していくしかない。
 一島も返ってこないような、自分で自分の首を絞めるような考え方で良いのだろうか。
 1市4町根室市はじめ、羅臼・別海・標津・中標津の行政関係者、元島民の皆さん、運動関係者は現実的な頭づくりをしてほしいと願ってやまない。
 北方領土問題でつくづく感じるのは、国の問題より、一地方の問題となっていることに愕然とする。
 昨日のアピール行動でも、全国紙は北海道版での扱いである。沖縄となると全国面だが、北方領土は地方面である。
 「政治家にも責任があるが、メディアもどこまで考えているのか」と言った声が私の根室の関係者から伝わってきた。
申し訳ないと思いながら、私なりに精一杯これまでもやってきたし、これからもやっていこうと決意する次第だ。
朝の便で女満別から戻り、13時から本会議。16時半から総理官邸で安倍総理に、1市4町の長と議長一行と「北方領土返還要求中央アピール行動政府要請」に同行。
安倍総理が北方領土隣接地域の方々に、平和条約締結に向けて極めて丁寧に、そして情熱のこもった話ぶりが印象的だった。

北方領土返還要求中央アピール行動政府要請