安倍総理の在任が2721日となり、初代首相伊藤博文翁を抜き、歴代3位になったことが大きな話題になっている。
 「継続は力」というが、内閣総理大臣の座を7年半も務めているのである。凄いの一言に尽きる。
 権力闘争の激しい政治の場で、実力、巡り合わせ、運、仲間、さまざまなものが集積されてのことではあるが、何よりも安倍総理ご本人の心構え、信念が築いたものである。
 安倍総理によって日露平和条約締結、北方領土問題解決を確信するものである。
 東京新聞こちら特報部「本音のコラム」金曜日は佐藤優さんである。
 「社民主要打撃諭」が極めて的を得た指摘である。全文ご紹介したい。

 1920年代後半から30年代初頭にコミンテルン(共産主義インターナショナルー=国際共産党)は、社民主要打撃諭という戦術を採択した。
 戦前の各国社会民主主義政党はマルクス主義政党だったが、共産党一党独裁によるレーニン主義を否定した。コミンテルンは、偽りのマルクス主義を掲げる社民党をまず打撃して、社会主義運動や労働運動で主導権を獲得することにした。ドイツでは、共産党が社民主要打撃諭を取ったために、ナチスの台頭を許してしまった。当時、非合法化されていた日本共産党(国際共産党日本支部)も主敵を非共産党マルクス主義者のネットワークだった労農派に定めた。そのため、左翼運動は分断され、軍部の台頭を招いた。
 最近の野党の状況を見ていると、社民主要打撃諭が少し形を変えて現れているように思えてならない。安倍政権と対決するよりも、まず、野党の中で圧倒的な主導権を獲得することを目的としているとしか思えない戦術を取る政党がある。スポーツの全国大会にたとえるならば、とりあえず準決勝に進出し、力を蓄えてから数年後の決勝戦に備えると考えているのだろう。有権者は野党のいがみ合いを見ていると、この人たちが政権に就くと大混乱になるのではないかと不安になる。そして消極的選択として自公連立政権を選ぶ。

 政治の世界、一寸先闇とよく言われる。今もこの時間も蠢(うごめ)いているのが政治である。
 何があってもいいように、心の準備だけはしっかりして参りたい。