丸山穂高代議士がビザなし交流で国後島を訪問した際、大塚団長とのやり取りで、極めて不適切な発言をしたことが問題となり、連日報道されている。
 当の丸山代議士が全く反省していないのがそもそもの問題だが、国会議員として所属していた日本維新の会は即刻除名をし、国民とロシア側に謝罪した点は見事な対応である。
 野党が議員辞職勧告決議案を出したことに対し、丸山代議士は20日記者団に議員辞職をする考えはないことを述べている。
 さらに「『発言に対して出すのは由々しき事態で、言論の府が自らの首を絞めかねない。絶対に辞めるわけにはいかない』と述べた。戦争による奪回が憲法9条の『戦争の放棄』に反するとの指摘には『(元島民に)賛否を聞くという形での発言なので、憲法違反には当たらない』と説明した。また維新幹部がロシア側に謝罪した対応について『(北方領土を)不法占拠してきたロシアに誤ったメッセージを送りかねない』と批判。自身の発言については『元島民の方への配慮に欠けていた』と重ねて謝罪した。(21日北海道新聞1面)と出ている。
 間違った認識で、お門違いのことを発言したのに「言論の自由」を主張するのはどういう頭の構造か。
 「戦争による」島の奪回の賛否を元島民に聞くという発想そのものがおかしいのに「憲法違反に当たらない」とすり替えている。
 ロシア側に維新の幹部が謝罪したことに「不法占拠してきたロシア側に誤ったメッセージを送りかねない」と言っているが、丸山代議士の言動は日露関係をぶち壊しかねない大変なことだということに気が付かないのは異常と言わざるを得ない。
 北方領土は未解決の地域であり、話し合いで解決すると1993年10月以降、ソ連が崩壊し、自由と民主のロシアになってから両国で話し合いがなされ、特に昨年11月14日、シンガポールでの日露首脳会談で大きく動き始めてきた。その流れをぶち壊すような丸山代議士の発言である。
 本人が開き直った態度でいるなら「参考人招致」さらには「証人喚問」をして、法的縛りのあるなかで国民の前でことの事実を質疑すべきではないか。そうすることが判りやすい一つのケジメになるのではないか。
 ことの重大性を気づかない人には、今までにないやり方で対処するしかないと思うのだが。
与・野党国会対策の責任者は検討してほしいものである。それが出来ないなら解散して丸山氏のバッチを外させるしかないのではないか。
 今週半ばには週刊誌もいろいろ報道してくることだろう。とんでもないことを言う人がいることに改めて驚くものである。