朝日新聞1面に「菅氏が難色 豹変した経産省 革新機構 高額報酬問題」という見出し記事がある。正確を期す為に読者の皆さんに全文紹介したい。

 国内最大の官民ファンド、産業革新投資機構(JIC)が経営陣に高額の成功報酬制度を導入し、年によっては報酬が1億円を超す可能性がある。11月3日の土曜日、JICが経済産業省と検討してきた高額報酬案を朝日新聞が1面で報じると、経産省の幹部らは週明けにあわてて首相官邸に説明に走った。
 「1億円を超えるのは、まずいんじゃないの。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)でも、3千万円ぐらいでしょう」
 待っていたのは、官房長官の菅義偉の否定的な反応だった。巨額の公的年金資産を運用する世界有数の機関投資家、GPIFトップの理事長でも報酬は年3千万円程。複数の関係者によると、それと比べてJICの報酬案は高すぎると菅は難色を示した。霞が関ににらみを利かせる菅の一言で、経産省はJICに対する態度を豹変させた。
 経産省官房長の糟谷敏秀は6日、JIC社長の田中正明を訪ね、もう言って平身低頭した。「報酬案は白紙としたい」
 糟谷は田中にJIC社長への就任を打診した、いわばJICの生みの親。ベース給など5千万円に加え、業績連動報酬も設けると6月に田中に名言していた。経産省からJICに出向中の職員も「財務省とは握っています」と高額報酬導入に太鼓判を押していたが、糟谷は自ら示した報酬案の白紙撤回に追い込まれた。この日を境に、JIC経営陣は経産省への不信感を強めていった。
 さすが菅官房長官である。どう考えても常識の額ではない。見事な指摘と国民の皆さんは納得していることだろう。
 菅官房長官の判断について時には興味本位で扱われることもあるが、国民目線で職務を遂行していることはこの一件でも明らかである。
 安倍総理を支える名番頭の評価をさらに高めるものである。