今朝の読売新聞2面に「本社世論調査 日露平和条約の締結『北方領解決後75%』」。
 日本経済新聞2面でも「日露平和条約の締結『領土問題解決後に』66%と報道されている。
 当然のこたえと認識するが、質問した新聞社の方も、正しい日ソ、日露関係に基づいて頭に入って調査しているかが大事である。平和条約は国境画定、領土問題の解決なくしてあり得ない。
 1956年の「日ソ共同宣言」が、北方領土問題の唯一の裏付けされた文書である。
 その9項には「日本国およびソヴィエト社会主義共和国連邦は両国間に正常な外交関係が回復された後、平和条約の締結に関する交渉を継続することに同意する。ソヴィエト社会主義共和国連邦は日本国の要望に応え、かつ日本国の利益を考慮して歯舞群島及び色丹島を日本に引き渡すことに同意する。ただしこれらの諸島は日本国のソヴィエト社会主義共和国連邦との間の平和条約が締結された後に現実に引き渡されるものとする」となっている。
 平和条約を結ぶことは領土問題の解決なのである。1951年サンフランシスコ平和条約(講和条約)で日本は国際社会に復帰し、連合国との戦争状態はなくなったが、沖縄・奄美・小笠原の施政権は米国に残り、21年後に沖縄が日本に返還されたのである。
 ロシア側の立場は、第二次大戦後連合国(敗戦国)の諸手続きによって合法的に手にした領土という考えであり、国際社会も容認している。
 外交は積み重ねである。こうした正しい経緯を踏まえた世論調査をしてほしいと願ってやまない。