12日、ウラジオストクでの東方経済フォーラム全体会合でプーチン大統領が「なんの前提条件も付けず、年内に平和条約を締結しよう」と発言したことが連日大きな話題になっているが、北方領土問題がこれほどまでに大きく扱われるのは久し振りで、これだけでも世論喚起にプーチン大統領は大きく貢献してくれたと感謝したい。
 安倍総理は淡々と「平和条約締結に向けての表れ」と受け止めている。メディアは先送り、棚上げと一方的な見方、穿(うが)った受け止めをしているが、外交は運動しているのではなく交渉である。
 運動は勝手に自分の主張、考えを述べていればよいが、外交交渉は相手があり、出口を見据えて名誉と尊厳をかけて結果を出すことである。
 この点、運動の類(たぐい)の報道は辟易する。しっかり交渉して国益の観点から結果を出してほしいと報道するのが役割ではないのか。
 色々な事実でない雑音があっても、泰然自若(たいぜんじじゃく)の安倍総理を見て安心するものである。
 プーチン大統領の発言を活かし、一日も早い平和条約締結に向け安倍総理はやってくれると期待している。いや、出来ると確信したい。
 昨日、ロシア外務省が今年8月4日、対米関係改善のため文化交渉などを担う特使に任命されたスティーブン・セガール氏が私を訪ねてくれ、16時から2時間ミーティングをし、20時から夕食を共にした。
 大統領府やロシア外務省の私の知人らとも大変懇意であることに驚いた。横綱白鵬さんとも親しく、急遽会う機会を作った。
 外交も人間関係だとつくづく思ったものである。

※セガール氏、横綱白鵬関と