昨日は朝5時頃、霧雨が降っていたが、上陸時には晴れ上がり、真夏日となった。良い天気を持ってきてくれた、運んでくれたと島の皆さんから喜ばれた。
 10時から択捉島を管轄するクリル地区長を表敬。旧知のベロウーソワクリル地区議長兼地区長がご挨拶の中で「両国首脳が共同経済活動を約束している。その一つに観光がある。観光のポテンシャルを高めるべく州政府が負担してスキー場をつくる計画がある」と述べられた。
 私から「具体的に日本に何を期待するか」と尋ねると、ベロウーソフ地区長は「日本から観光客来てほしい。温泉もあるし、魚釣りも出来る。受け皿出来ている」との返事だった。
 同席されたロコトフクリル地区行政長は「日本、技術力ある。加工業、栽培漁業、ゴミ処理、北海道は素晴らしい建設分野、寒冷地技術を活かしてほしい」とのことだった。
 ロコトフ氏はサハリン州から派遣されており、私が1996年ユジノサハリンスクに行った時、会っていると言われ、人の縁に驚いた。
 ホームビジット先は図書館長をしているナターリアさん宅だったが、彼女も別飛の村長を長くやり、旧知の人で改めて人間関係の重さ、大切さを感じたものである。
 択捉島は北方四島の中でもよりロシア化が進んでおり、住宅も新しくなり、舗装道路はじめインフラが進んでいた。
 島のロシアの皆さんが平和条約、共同経済活動に大きな関心があり、その点、ビザなし出来ている。
 日本側の意識、認識、特に何のためのビザなしかを十分承知していない人が沢山おり、唖然とした次第である。
 今日は数カ所島内視察をし、14時40分から島民との交流会を行い、日程をすべて終える予定である。