間違った正しくない一方的な思い込みの情報で、国会で質問する野党議員の姿にもへきへきするが、閣僚にもいる事に驚きを禁じ得ない。
 昨日の読売新聞4面に、野田総務大臣の囲み記事「『救命活動は至極当然』『女性は土俵下りて』協会に苦言」という見出し記事があった。
 記者会見で、「大相撲の春巡業の際、急病人の応急処置に当たった女性が土俵から下りるよう求められた問題について『生命の危機にあった事をかんがみれば医療従事者が救命活動することは至極当たり前だ』と述べ、日本相撲協会の対応に苦言を呈した」と出ている。
 野田大臣も興味本位の報道を真に受けての発言だと思うが、閣僚たるもの事実を確認してから発言してもらいたい。
 相撲関係者に聞くと、舞鶴市長が倒れた際、いびきをかくなどの症状から医療従事者の処置が必要と判断し、土俵上にいた呼び出しが、救命処置を申し出た女性に看護師である事を確認した上で、ぜひお願いしますと言って心臓マッサージ等、施(ほどこ)してもらったとの事である。これが初動での経緯である。
 その後、若い行司が女性に土俵から下りるようアナウンスした事が問題になったが、救命処置をしてくれた看護師は、そのまま救急隊が来るまで処置を継続したのである。
 テレビを見てもわかる通り、最初の2人には土俵から下りるようにというアナウンスはなかった。後から駆け付けた2人が土俵に上がってからのアナウンスである。
 呼び出しが看護師と確認し、お願いしている事実を野田大臣が分かって苦言を呈したのなら、記者会見での言い振りは間違っている。
 野党の裏付けのない、正しくない質問で嫌な思いをいている野田大臣が、今回の「女性は土俵から下りて」という事実関係を十分確認しないで記者会見をしたのなら、勇み足ではないか。
 将来ある政治家なので、敢えて苦言を申し上げておく。

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