毎日、横綱日馬富士関のことがテレビ・新聞で出ている。
もう一方の当事者である貴ノ岩関、貴乃花親方についてのニュース記事はない。休場届を出した貴ノ岩はどこで何をしているのか。退院しているのだから、また、医師の診断書も全治2週間となっているので事実関係を確認しても良いと思うのだが。
何も言わない貴乃花親方に変わって評論家や相撲関係者と称する人が「相撲界を改革する貴乃花親方の表れだ」などと改革とは無関係な動きに好意的意見を述べるいい加減な人もいる。
 今日の産経新聞1面「産経抄」に次のような一文がある。

 相撲の強豪校、鳥取城北高校は、関脇照ノ富士や逸ノ城、貴ノ岩らモンゴル人力士の母校でもある。学校とモンゴルとの関わりは、平成12年に相撲部の監督が現地を訪ねたことに始まる。
 そのとき知り合ったのが、モンゴル相撲の元横綱である白鵬の父親だった。父親から息子の城北高校入学を頼まれたものの、白鵬はすでに宮城野部屋に入門していた。こんないきさつから、監督と白鵬とは親しい間柄が続いている(『土俵の群像』岩崎友太郎著)。
 横綱日馬富士による貴ノ岩への暴行事件の実態がわかってきた。鳥取市内での会食中、貴ノ岩の生活態度を注意したのは、白鵬だった。監督とのつながりの深さから、モンゴル人力士の先輩後輩の関係以上に監督責任を感じたのかもしれない。その最中に貴ノ岩がスマホを操作しているのを日馬富士が見て、腹を立てたらしい。日馬富士は暴力を振るった事実を認めている。
 もっとも今や事件の焦点は、貴ノ岩と師匠である貴乃花親方の謎の行動に移りつつある。先月下旬の暴行事件の後も、貴ノ岩は巡業に参加していた。けがを診察した医師も、相撲を取って大丈夫と判断している。
 「2桁勝ちたい」と本人が意欲を示していた九州場所を、なぜ初日から休場させたのか。親方から何の説明もない。鳥取県警に被害届を出しながら、相撲協会に報告しなかった点も不可解である。何より協会が最初に事情を聴くべき貴ノ岩は、どこに隠れているのか。
 貴乃花親方は協会内で八角理事長と対立してきた。日馬富士の師匠である伊勢ケ浜親方はかつて盟友だったが、現在は決裂している。「怖いな」。事件発覚の直後、日馬富士が漏らした一言は、こうした勢力争いと関係があるのだろうか。

 昨日開かれた日本相撲協会評議会で池坊評議員会議長は「秋巡業中に起きた問題を相撲協会へ報告しなかった貴乃花巡業部長に対し『何かあった時は理事長に報告する義務がある。速やかに報告していたら理事長も対応のしようもあったと思うと残念』と苦言を呈した」と報道されている。
 池坊議長の発言は最もな指摘であり、わかりやすい。
 事件が報じられた当初、相撲協会の古い体質とか、過去の不祥事が生かされていないとかテレビ・新聞は一方的に報道されてきたが、時間が経つにつれ、冷静にかつ、何が問題なのかわかって来たような論調になって来た。
一日も早い貴ノ岩関、貴乃花親方の発言を待ちたいものである。
 県警に出された診断書と日本相撲協会に出された診断書がそれぞれ別だったかことが明らかになっているが、この点、はっきりすることも貴ノ岩関や貴乃花親方にとって必要ではないか。
 朝6時55分羽田発で女満別に向かい、11時半からお世話になった網走管内湧別町の西村組会長西村幸一さんのお別れ会に参列し、献花をする。
 今朝の女満別空港は-10度だった。故郷陸別は-15度とテレビに出ていた。北海道は確かな冬の到来である。
 12時45分発で紋別空港から東京に戻る。事務所でインタビュー、取材等を受けたが、一日があっという間だった。