昨日13時過ぎに「蓮舫民進党代表が辞任する意向で、15時に記者会見するそうだ」と報道関係者から連絡が入り、状況からして当然だろうなと受けていると、夕方には今度は稲田防衛相が辞めるとの話が入って来た。
 この2人に共通するのは政治経験があまりにも浅かったことである。
 蓮舫氏は議員生活13年、稲田氏に至っては12年で、組織や官僚を束ねていくにももう少し政治キャリアを積んでからその任に就くべきだったのではないか。
 2人とも若いわけだから、今回の経験は必ず次に活きてくることだろう。ひとえにご本人の努力、精進ではあるが。
 金曜日東京新聞「本音のコラム」は佐藤優さんである。「嫌な記憶」という見出しで次のように書いている。
 人は誰も自らの経験から離れて、物事を判断できない。24日の衆院予算委員会における安倍首相の答弁を聞きながら、筆者は2002年の鈴木宗男バッシングのときの嫌な記憶が蘇った。
 鈴木氏は北方領土の日本化を推進し、領土交渉の環境整備を行うという当時の政府の方針に従って行動していた。政府も1991年秋に「四島一括返還」から「四島に対する日本の主権が確認されるならば、返還の時期、態様、条件については柔軟に対処する」と基本方針を転換した。
 にもかかわらず、鈴木氏は「四島一括返還という国是に反する国賊」と非難された。国会や会見でいくら釈明しても、誰も鈴木氏の言うことに耳を傾けなかった。そして感情的な世論を背景に国策捜査の流れができ、鈴木氏摘発に至る階段として、筆者が逮捕された。
 岩盤規制に穴を開けるには政治の力がいる。愛媛県も同県今治市も獣医学部の設置を望んでいた。地元で手を上げたのは加計学園だけだった。安倍首相の友人である加計孝太郎氏の獣医学部設置計画がうまくいけばいいと思っていただろう。
 そこで贈収賄などの不正が行われたのでなければ、どこに問題があるのか。具体的な被害者がいるのか。筆者には何が問題なのかわからない。鈴木宗男バッシングに至るときのような嫌な感じがする。

 私も佐藤さんに同感である。加計学園問題で被害にあったり、損害を受けた人がいるのか。事件性が全くないのにも関わらず「怪しい、何かある」という一方的頭作りで騒ぎ立ててきた。
 15年前の鈴木バッシングを私も想い出しながら忍耐に忍耐を重ね、一身に任命責任は自分だと言い続ける安倍総理には胆力がある。
 この胆力がある限り、何の心配もない。安倍政権は安泰である。なにがあっても天は落ちてこない。