読売新聞37面に「獣医学部断念 知事『準備足りなかった』京産大副学長『外された認識ない』」との見出し記事がある。
 加計学園の獣医学部新設と密接に関係する話なので記事を紹介したい。

 同大とともに新設を目指していた京都府の山田啓二知事は、同日の記者会見で「残念だが、努力、準備が足りなかった。地域的なバランスを考えたのは政府の判断。(設置が決まった愛媛県今治市は)本当に必死でやってこられた。それはわかっている」と述べた。
 特区での獣医学部新設を巡っては、昨年11月9日、国家戦略特区諮問会議で「広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り」認めるとの条件が加わり、同月18日には学部の開設時期が2018年度と示された。野党や前川喜平・前文部科学次官はこうした経緯について「京産大が排除された」と批判している。
 しかし、京産大の黒坂光副学長は、14日の記者会見で「広域ということだけで対象外になったとは思っていなかった」と明言。「開設の時期が京産大外しにつながった認識は」との問いに、「ありません」と答え、「不透明な決定という感触は」との問いにも「ございません」と述べた。また、「ゆがめられた行政の被害者と言われているが」との問いには「それは政治の世界の話で、我々はすることを粛々と行ってきた」と返した。
 当時、京産大の獣医学部新設構想の作成や提案に携わった京都府の幹部も、京産大外しとの認識はなかったと話している。この幹部は読売新聞の取材に、「府として新設を諦めたのは地域が広島県、今治市の特区に限られた今年1月で、それまで希望を持っていた。ただ時間もなく、開学時期のめどなど具体的に絵を描く段階まで至らなかった。結果的に我々の提案が条件に合わなかったもので、(加計学園に決まった)選定の経過が特におかしいとは感じなかった」と語った。

 京都府知事、京産大側の話は一致している。
 これは、衆・参両院で開かれた文科・内閣合同委員会で、参考人質疑での加戸前愛媛県知事の発言とも整合性がある。
 前川前文科次官や野党の皆さんは、この京都府知事、京産大の発言にどう答えるのだろうか。
 事実は小説より奇なりである。