5日のNHK21時の「ニュースウォッチ9」21時25分頃から「戦争孤児たちの戦後史、全国に12万人 その実態は」を見て何とも言えない思いであった。昭和23年の話で私が生まれた年の出来事である。
 戦争で親を失い、路上生活を余儀なくされ、頼った親戚先では邪魔者扱いされ、学校、社会でも「汚い、怖い、寄り付くな」といじめられた数々を元孤児の小倉勇さんは赤裸々に語っていた。
 食べ物に飢え、着る物、住むところもなく、何よりも「温もり」がほしかったと話す言葉に胸が詰まった。
 優しくされた先生のお陰で今日(こんにち)あるとしみじみ語っていたが、その先生を称えたい。まさに先生というに値する先生が一人でもいたことが日本の救いであった。
 戦争という、あってはならないことで多くの人が犠牲になり、日本が力を持つことによりさまざまな補償や給付支援をしてきたが、戦争孤児に対して十分なる処遇、手当てをしたであろうか。
 突然親と死に別れ、路頭に迷った子供のことを想像するだけでもどんなにか不安や心配の毎日であったかと考える時、70年前のことが目の前にあるように感じた。
 今からでも戦争孤児に対しての労いや償いをしても良いのではと考えるのは私一人だろうか。
 国民の代表たる国会議員はしっかり検討すべきでないか。
 6日の東京新聞こちら特報部18面に「出所後、独りぼっち 誰も迎えなし 一番つらい経験 福祉・地域支援から見過ごされ」
 19面には「帰る場所があれば 受刑者の社会復帰助ける仕組み不足」の見出し記事がある。
 日本は再犯率が高く、2015年は48%になり、満期出所した1万人の内5500人は帰る場所がなかった。帰る場所がないのが一番の問題である。家族、親戚、身寄りのない人は生きようがなく生活が出来ない。これが現実である。
 昨年12月に成立した「再犯防止推進法」では今年中に法務省が「再犯防止推進計画」の作成をすることになっているが、せっかくの議員立法である。国会議員の出番として出所した人の再生保護に取り組んで戴きたい。
 私も更生保護法人更新会に定期的に食料を送っているが、新たな協力をして行こうと決意した次第である。