韓国の朴槿恵大統領が12日夜、大統領府を退去する姿をテレビで見ながら権力の世界の厳しさを改めて知らされたものである。

 圧倒的な人気で大統領選挙を制し、韓国初の女性大統領としていやがうえにも期待が高まった。そのプレッシャーが今回の一連の問題を起こしてしまったのか。

 大統領府を去った後、「時間がかかるだろうが、真実は必ず明らかになると信じている。私に与えられた大統領としての使命を最後まで果たすことができず申し訳なく思う。私を信じて声援して下さった国民の皆様に感謝する」とメッセージを出している。

 このメッセージからこのようなことになった無念さと悔しさ、何とも言えぬ胸の内が伝わってくる。

 一昨年12月28日、慰安婦問題で日韓関係が良い方向に向かうのではと期待したが、その後、釜山日本領事館前に慰安婦像が置かれ、朴大統領の疑惑問題と重なり、せっかくの合意が水泡に帰してしまったことは極めて残念である。

 朴大統領に係る事件が今後どのような方向に行くのか冷静に見ていきたい。