「留学生父『今の韓日胸痛む』JR新大久保駅救助で犠牲から16年」という見出し記事(朝日新聞33面)に思いを新たにした。

 読者の皆さんもご記憶のことと思うが、2001年1月26日新大久保駅でホームから転落した人を助けようと線路に降り、日本人カメラマン関根史郎さんと都内の日本語学校に通っていた韓国人留学生李秀賢さんが列車にひかれ亡くなってしまった。

 このことをニュースで知り、私は偉い人がいる、自分の命を帰り見ず、他人を助けに行くとは何とも凄い人だ、果たして自分にできることかと自問自答したものである。

 亡くなった李さんのお父さんは「息子は韓国と日本の懸け橋になりたいと願っていた。今のぎくしゃくした両国の関係に胸を痛めている」と話している。

 かつて日韓関係は「一衣帯水」と言ったものだが、今、そうした状況、雰囲気はない。李さん、関根さんの尊い行為を日韓友好の姿として活かしてほしいと願ってやまない。

 この新大久保駅と同じような偉い凄い人がいたことを私は何時も想い出す。

 平成25年10月1日、横浜市緑区の踏切でお年寄りが線路上で倒れ、助けに行った村田奈津恵さんのことである。

倒れているお年寄りを見て列車は来る、間に合わないとお父さんは言ったが、奈津恵さんは飛び出して行った。

 そのお年寄りを助けたが、自分は列車にひかれてしまった。

瞬時に意を決して、他人を助けに行く。何と凄いことかとただただ頭を下げたものであった。

 毎年私は10月1日を忘れずにいるが、いつの時代にも庶民の中に、大衆の中に凄い、立派な人がいることを私は心している。