読売新聞、日本テレビがプーチン大統領との会見を伝えている。明日の首脳会談を控え、13日の夕刊、14日の朝刊で詳細にやり取りが出ている。テレビも13日の午後から何回も放映された。7日に行った取材を十分計算、配慮した絶妙なタイミングで報道するところに読売新聞、日本テレビの立ち位置が伝わっている。プーチン大統領の率直な考えを引き出したことは首脳会談に良い影響を与えることだろう。

 一番の関心事である北方領土問題について四島の帰属問題は全く別の問題で、日ソ共同宣言の枠を超えているとプーチン大統領は語っているが、ロシア側から見れば当然だろう。

 国境画定、領土問題には法的裏付けが必要だ。それは1956年の日ソ共同宣言しかない。

平和条約締結後に歯舞群島・色丹島を引き渡すと書かれているが、国後・択捉については何も触れられていない。プーチン大統領は歴史の事実に添って話しているのである。何も驚く話ではなく、当たり前のことをプーチン大統領は言っているのである。この発言を十分踏まえて対処していくしかない。

 1991年10月まで日本政府は「四島一括返還」それも「即時」と言ってきたが、1991年秋、ソ連が崩壊し、ロシア連邦共和国になり自由と民主の政治体制、自由経済体制となり登場したエリツィン大統領は「戦勝国、敗戦国の枠組みにとらわれず、法と正義に基づき話し合いで解決しよう」と柔軟姿勢を取り、日本も「四島の帰属を解決して平和条約」と大方針転換したのである。そして今日に至っている。

四島の帰属については1956年の日ソ共同宣言によって歯舞群島・色丹島は平和条約締結の後、引き渡すことになっているが、国後島・択捉島は何も決まっていないのである。

領土問題についてプーチン大統領は「チャンスはあるパートナー(日本)の柔軟性にかかっている」と含みを持たせた発言だ。安倍総理がここを上手く活かすことだろう。

 いずれにせよ、明日、明後日の首脳会談で一歩でも二歩でも今より進み、先に繋げれば大成功の首脳会談である。

 私は講演でも取材でも「1996年の日ソ共同宣言の具体的協議に入る合意ができれば100点満点だ」と話してきた。

 安倍首相の裂帛の気合を込めた明日の首脳会談を待ちたい。

 

※明日12月15日(木)テレビ出演します。

11時から11時40分(第一部)テレビ朝日「ワイドスクランブル」

12時55分から13時45分(第二部)生出演

 

16時54分から17時45分 テレビ東京「ゆうがたサテライト」生出演

 

22時から23時 BS日テレ「深層NEWS」生出演

 

是非、ご覧になって下さい。